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第23回ポリマー材料フォーラムポスター賞選考報告

23PMF      
 
運営委員 小関徳昭
 
平成26年11月6〜7日の2日間、古都奈良の新公会堂において第23回ポリマー材料フォーラムが開催され、総勢565人が集った。プログラムは、Aセッション「ポリマー材料の設計・合成・加工・解析」、Bセッション「電気・光・情報・エネルギー関連材料」、Cセッション「高性能・高機能材料」、Dセッション「ライフサイエンス・環境材料」の4セッションから構成され、招待講演32件(各セッション8件)とポスター発表156件(A:47件、B:24件、C:56件、D:29件)の内容であった。 
 ポスター審査は審査対象103件を、セッション毎に審査団7〜10名をそれぞれ結成して、そこには高分子学会フェローの先生方にも強力な助っ人として加わって頂き、セッション毎にほぼ丸一日を費やして審査を行った。発表者はよく事前準備を頂いており、要領良く説明頂き、コメンテーターが質問を導き、質疑応答を含め10分の持ち時間を有効に使うことができた。審査団は順番にポスターを回って行ったが、隣接あるいは向かいの筋に位置するポスター発表でも活発な説明・質疑応答がなされており、時折、審査中の説明や質疑応答が遮られるほどの活況ぶりであった。 
 審査の基準は、@発表内容:新しい材料および技術としての可能性を見出したあるいは予見させる高分子材料および関連技術、Aプレゼンテーション:質疑に対する適切な応答、ディスカッション、Bポスターの論理性・ビジュアル性:発表者がその場にいなくても一見して発表を理解できるような構成、並びに人を引きつける特徴的・魅力的なポスター。審査者は審査基準に基づき各発表について厳格に点数化した。 
 審査終了後、正直なところ小職も含め審査者の大半がオーバーフィフティーという年齢のせいもあって足腰への心地良い負荷を口々にしながらも、セッション毎に審査結果をしっかりとまとめ、意見交換を行い、セッション毎の優秀発表賞の候補者を選出した。各セッション審査団長より選考結果を報告、審査基準に基づき審議を行うと共に、各セッション発表件数を考慮し各発表内容および発表者の質疑応答についても十分に議論した。その結果、下記8件(Aセッション2件、Bセッション1件、Cセッション3件、Dセッション2件)を優秀発表賞として最終決定した。大学・公的研究機関3件、企業5件とやや企業からの受賞が多いが、ポリマー材料フォーラムの位置付けを考えると最も良いバランスに落ち着いたように感じた。残念ながら今回の選には漏れたものの、賞に値する優秀な発表が他にも多くあったことを申し添えておきたい。 
 今回のポリマー材料フォーラムの主題は「日本を元気にする高分子材料」であったが、講演・ポスター発表随所に日本の産業を支える高分子材料の技術革新が盛り込まれていたと思う。発表された方、審査された方、参加者、事務局の方、皆さまお疲れ様でした。これからも、ポリマー材料フォーラムが高分子材料の発展を実感できる場であることを願いつつ、ポスター賞選考報告とする。 

ポスター賞受賞者

Aセッション:ポリビニルエーテルを鞘部分とする新規ブラシ状π共役ポリマーの創製と機能材料への展開 

(京工繊大院工芸)本柳  仁
 
      :新規帯電防止易接着フィルム 
(東レ)根本 雅美
 
Bセッション:グラファイトシート被覆樹脂球を前駆体としたフィラーネットワーク型高熱伝導複合体の創製 
(豊田中研)佐々木 慈
 
Cセッション:空孔のサイズ及び表面官能基を精密に制御した有機ナノチューブ材料の開発とナノバイオ応用
(産総研ナノシステム)亀田 直弘
 
      :硬度と屈曲性に優れた紫外線硬化型ウレタンディスパージョン
(DIC)宮宅 潤一
 
      :化学的・物理的手法による撥液性の向上検討    
(ダイキン)山口 央基
 
Dセッション:ペンタメチレンジアミンの新規製法とバイオベース樹脂PA52の開発     
(宇部興産)堂山 大介
 
      :シスプラチン内包PEG-ポリ-L-グルタミン酸ブロック共重合体ミセルの制がん効果に及ぼす内核ヘリッ 
       クスバンドル構造の影響  
(東大院医)持田 祐希 

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