第26回ポリマー材料フォーラム

開催報告

26PMF      
 
運営委員長 小林幸哉
 
 第26回ポリマー材料フォーラムが11月16、17日の2日間にわたり、大阪国際交流センターで開催されました。
 今回のPMFはその主題を「高分子 次世代につなぐ技術イノベーション」と題し、少子高齢化とグローバル競争にさらされるわが国の将来を次世代につないでいくための高分子産業の果たすべき使命を意識しました。そして世界をリードする高分子材料技術の創出を目的に、産官学の研究者が一堂に会して情報発信・意見交換を行い、オールジャパン体制での協力体制の形成を目ざしました。
 企画運営を進めるに当たり、企業が主体となって進めるPMFの本来の姿を意識しました。招待講演の設定に当たっては、アカデミアが主体になりつつあった傾向を抑え、半分は企業からの発表となるように選定しました。また、招待講演の時間は従来の30分から40分と増加し、聴講ならびに討論の時間を充分とれるように工夫しました。
 4つに分類されたセッションでは32件の招待講演と171件のポスター発表が行われ、参加者は合計620名に至りました。各テーマを通じて、講演者から最先端の材料・技術に関する興味深い発表がなされ、それに続いて活発なディスカッションが行われて、有意義で中身の濃い2日間の活動が行われました。
 また今回は「次世代に未来をつなぐためのオールジャパン体制」を意識し、わが国の未来を考えるうえで避けて通れない福島原発の“廃炉”の話題を特別講演として取り上げました。国際廃炉研究開発機構(IRID)をお迎えし、廃炉の技術開発状況についてご紹介いただき、この問題について考える企画としました。多くの高分子研究者が本講演に参加し、化学者としてこの問題を共有化しました。今後の協力・貢献が期待されるものです。
 ポスター発表の中身を見ますと、Aセッション「環境・ライフサイエンス関連分野」37 件、B セッション「電気・光・情報・エネルギー関連分野」27件、Cセッション「高性能・高機能材料」52 件、D セッション「ポリマー材料の設計・合成・加工・解析」55件の発表が、企業、大学、研究開発法人からバランス良く発表されました。
 これらの発表に対し厳正な審査が行われ、合計9件の優秀ポスター賞が選出されました。選考基準は、@発表内容、Aプレゼンテーション、Bポスターの論理性、ビジュアル性の観点で選考されました。今回のポスター賞受賞者は「高分子」本号にて発表されるほか、来年の高分子学会年次大会(総会)にて表彰され、楯が授与されます。受賞された発表内訳は企業6件、大学・研究機関3件となりましたが、内容的には非常に接戦で、いずれも甲乙つけがたい優秀な内容であったことを申し添えます。
 ポスター発表の数は、設定4分野において偏りが予想され、小分類の表現・文言に工夫して平準化を試みましたが、やはりC、Dセッションの数が多くなる傾向が残りました。企画当初から分類の見直しを提案して来ましたが、この見直しは今後の課題となることと思われます。
 16日の夕方には、恒例のミキサーに約200名の参加者が集い、中條会長、今井高分子学会フェローから力強いお言葉をいただき、大いに盛り上がりました。
 最後になりますが運営委員の皆様には、テーマ設定・プログラム作成から当日のコメンテーター、ポスター賞審査に至るまで、大変なご尽力を賜りました。また、事務局の方々には事前準備から当日の運営まで円滑で心強い対応をいただきました。さらに、最先端の講演・発表をしていただいた諸先生、ポスター発表者、および活発なディスカッションをしていただいた参加者の皆様、展示にて会を盛り上げていただいたスポンサー企業の皆様方に心より厚くお礼申し上げます。
 来年度は関東支部の担当による開催となります。今後ともPMFをオープンイノベーションの有用な場として活用いただき、イノベーションの創出に繋げていくことを願っております。皆様のご参加とご協力をよろしくお願い申し上げます。

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