高分子科学史年表(1932-1935)

高分子科学史年表(1932-1935)

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西暦

日本

世界

科学技術一般

社会一般

西暦

科学

技術

科学

技術

1932

・櫻田一郎(1932);千藤三千造(1932);友成九十九(1934);香川毓美(1937):硝酸セルロースに関する研究が諸所で行われる

・光永政介(三菱鉱業):ネオプレンの追試に成功

(独)E. Zaucker:スルホンアミド系ゴム加硫促進剤を発見

(ソ連)金属ナトリウムを用いてポリブタジエンゴム(SKB)の生産開始

(英)J. Chadwick:中性子を発見

・満洲国建国宣言

1932

・関西の日本護謨協会と関東の護謨協会が合同し,日本護謨協会(1937社団法人となり,1944(社)日本ゴム協会に改称)が発足,“護謨”は“日本護謨協会誌”に併合

・日本合成化学(株):酢酸セルロース成形材料生産開始(日本窒素肥料(株)(1935),大日本セルロイド(株)(1939)が続く)

(独)M. Bodenstein:不安定中間体の理論の提起

(独)IG社:後塩素化ポリ塩化ビニルの湿式紡糸による繊維化成功,出願(成立は1934),“Pe-Ce Fiber" と命名,1934試験生産開始

(米)C.D. Anderson:陽電子を発見

(日)5.15事件

・日本ベークライト(株)設立(三共(株)よりベークライト事業継承)

(米)H. Eyring:自由回転鎖の両端間距離

(独)H.Gastrow:射出成形用Torpedo組み込み加熱シリンダー発明

(日)日本学術振興会創立

・日本の人絹糸の生産量,生糸の生産量を超える

(独)H. Staudinger:

Die hochmolekularen organischen Verbindungen: Kautschuk und Cellulose" (Springer) 出版

(独)F.Braun社:Gastrow's Torpedo採用

ISOMA・AUTOMAT"型全機械駆動射出成形機量産

(ソ連)N.V. Mikhailov:ビスコース人絹の研究開始

1933

・大島敬治(大阪市立工業研究所):ユリア樹脂塗料技術開発

・国沢新太郎,芹沢忠治(陸軍科学研究所):こんにゃく粉使用による濃縮ラテックスの製法の特許取得(風船爆弾に使用)

(加)S. Perry,H. Hibbert:アルカリによるエチレンオキシド重合のリビング性発見

(独)IG社:Buna S(最初のホットSBR)の特許取得,(米)ゼネラルタイヤ社とIG社との間に Buna S をタイヤに利用する契約が成立

(米)L.C. Pauling:ベンゼン分子構造に量子力学の共鳴概念を導入

(独)ナチス政権成立,ヒトラー (A. Hitler) が首相となる

1933

(英)W.N. Haworthら:ビタミンCの構造決定

(米)F.D. Roosevelt 大統領に就任,ニューディール政策開始

・旭ベンベルグ絹糸(株)設立,銅安法 人絹糸商業生産(1946年旭化成(株)となる)

(米)C. Elis:不飽和ポリエステル樹脂特許出願

(日)京都帝国大学滝川事件

・日本窒素肥料(株):アセテートの乾式紡糸実験成功

(英)E.W. Fawcett, R.O. Gibson (ICI社):高圧法ポリエチレン開発

・日本,国際聯盟より脱退

・帝国人造絹糸(株),国産初のバキュームニーダ設置

(独)IG社:W. Bock と E. Tschunkur が Buna S を,E. Tschunkur と E. Konrad が Buna N を,乳化重合法によりそれぞれ開発

・国際聯盟,リットン調査団報告を承認

・住友電線(株):ガタパーチャ被覆電線を製造し,朝鮮海峡横浜電話海底ケーブル57海里を完成

・大阪市立工業研究所内に「関西プラスチック技術研究会」設立(1935プラスチック技術研究会に改組,1950プラスチック技術協会に改組,現在に至る)

1934

・神原 周(東京工大):天然ゴムの素練・配合・加硫について,問題点を解明する研究を開始

・大内新興化学(株):老化防止剤“アルドール-α-ナフチルアミン”を生産

(独)F. Schloffer, O. Scherrer (IG社):ポリ(クロロトリフルオロエチレン)の発明

(独)IG社;(米)Standard Oil社:極低温重合ポリイソブチレン工業化

(伊)E. Fermi:中性子による原子核の人工壊変を発表

(日)室戸台風

1394

・水島三一郎,森野米三,東 健一:分子の内部回転についてのトランスゴーシュ概念の提唱

・古河電工(株):チオコール社(米)より多硫化ゴムの実施権取得(1935生産開始)

(独)K.H. Meyer, Y. Go(呉 祐吉):グリシン-N-カルボン酸無水物(NCA)からポリペプチドの生成を結論

(独)IG社(Bayer社):Buna S, Buna N のパイロットプラントを建設

(仏)Joliot-Curie夫妻:人工放射能を発見

(日)職業野球創立

・日本合成化学(株):酢酸ビニル製造開始

(英)R.T. Cooke(Francis Shaw 社):噛み合わせ式密閉型混合機(Intermix)の特許出願

(米)L.C. Pauling:原子の共有結合半径を決定

(日)丹那トンネル開通

・酸水素油脂(株):アルキド樹脂国産

(米)Leominister Tool 社:エッケルト型全油圧射出成形機製作

(独)ヒトラー,総統兼首相となる

・再生ゴムの研究のため工業研究奨励金9000円を商工省が亀戸ゴム製造所に交付

(米)DuPont社:ポリアミドに焦点を当てた合成繊維プロジェクトがスタートする

(ソ連)国際聯盟に加入

(独)H. Rein(IG社):ポリアクリロニトリルの無機塩濃厚溶液による湿式紡糸技術開発

(米)DuPont社:タイヤコード用強力レーヨン“Cordura"発売

1935

・櫻田一郎(京都帝大):合成高分子化合物が人造繊維となり得ることを講演

・君島卓三:川口化学工業所(現 川口化学(株))を設立,国産初の老化防止剤“アンテージ”を開発

(独)K.H. Meyer, J.D. Ferry:ゴム熱弾性の精密測定から,ゴムの張力は絶対温度に正比例することを発見

(独)IG社;(独)Henkel社;(瑞西)Ciba社:メラミン樹脂製造開始

(瑞西)P. Karrer;(独)R. Kuhn:ビタミンB2を合成

(日)第1回芥川賞・直木賞

1935

・この頃から“高分子化合物”の術語を使いはじめる

・大阪工業試験所:合成ゴムの研究に着手

(米)K.B. Blodget:いわゆるLB膜を案出

(伊)R. Colombo: 同方向回転平行二軸押出機開発

(蘭)F. Zernike:位相差顕微鏡を完成

・ドイツ再軍備宣言

・鐘紡(株):牛乳カゼイン,大豆タンパク質などの繊維化を研究

・住友ゴム(株),住友電工(株):合成ゴムの研究に着手

(英)Faraday Society 国際討論会“重合と縮合”開催(Cambridge)

(独)IG社(Bayer社):セグメント入り(押出機)スクリュー開発

(ハンガリー)G. de Hevesy:人工放射性元素をトレーサーとして使用

・エチオピア戦争始まる

・喜多源逸ら:パルプ(とくに硫酸塩法)に関する研究はじまる

・井口豊八:ラテックススポンジを発明

・ビニル重合が連鎖反応であることを主張:(独)H. Staudinger (1935);(加)W. Chalmers (1935);(墺)H. Mark (1936);(英)G. Gee (1935)

(独)IG社(BASF社):硬質PVCカレンダー加工開始

(米)W.M. Stanley:タバコモザイクウィルスを発見

・ロンドン5カ国軍縮会議

・大阪帝国大学内に(財)繊維科学研究所設置

・東洋護謨化学(株):ラテックスによる糸ゴムを製造

(米)W.H. Carothersグループ(DuPont社):G.J. Berchet を中心にして,ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸からのポリアミドの合成と溶融紡糸・延伸成功,“Fiber-66"と命名,ナイロン開発の基礎となる

(日)湯川秀樹:中間子論を発表

・日本ペイント(株):尿素樹脂国産

・(株)名機製作所:トグル型締め,空圧射出成形機試作

(英)Courtaulds社:高強力レーヨン開発

・E.A. Hauser(米):わが国のラテックス工業の将来に重要な指示を与えた

(伊)Sunia Viscosa社:牛乳よりカゼインタンパク質繊維“Lanital"開発

更新日 2006/08/10

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