09-2接着と塗装研究会
自然に学ぶ接着・意匠
趣旨 多くの大学や企業、研究機関で生物の形やシステム、プロセスをまねて人間が利用できる技術を生み出そうという取り組みがなされています。例えば、泥の中でも汚れることのないハスの葉、色素や顔料が含まれていないにもかかわらず青く輝くモルフォ蝶、指の先に吸盤があるわけでもないのに壁や天井に貼りつきながら歩くヤモリなど、自然の生き物の仕組みには、多くの工業的価値を見出すことができます。一方20世紀末から急速に進化したナノテクノロジーを用いることによって、多くの研究者は生物の巧妙な構造やシステムをまねることをはじめ、一部では商業的な成功をおさめました。さらにナノテクノロジーの進化は研究者たちに、これまで見えなかった微細な領域、生物がおりなすしくみを観察できる技術をもたらしました。
本研究会では、自然から得られた知見から人間社会にいかに役立てるかということを日々研究されている著名な3名の先生方に、理論と現在の研究開発状況についてご紹介・話題提供をしていただきます。
ここから,さらなる研究開発や応用展開へのヒントが出てくれば非常に嬉しいことです。多くの皆様の参加を期待いたします。
主催 高分子学会 接着と塗装研究会
開催日 2009年11月13日 13:30〜16:20
開催場所 すみだ産業会館 会議室2
墨田区江東橋3-9-10
http://www.sumidasangyokaikan.jp/info/index.html
交通 JR/東京メトロ錦糸町駅 徒歩1分
プログラム <13:30−14:30>
1)自然に学ぶものづくり
(ユニバーサルデザイン総合研究所)赤池  学
百年先、千年先を見据えた持続可能な社会の形成には、枯渇する地下資源の代替を果たし、豊かな生活の到来に重要な役割を演じる生物模倣科学やバイオ技術、再生可能資源などを積極的に活用する必要があります。
本講演では、具体的に植物、昆虫、微生物の利活用などの分野で進みつつある研究事例を取り上げ、自然に学ぶものづくりについて解説していただきます。
<14:40−15:25>
2)自然に学ぶ構造色
(東京農大)長島 孝之
昆虫は約4億年前から、様々な環境で暮せる体に進化しながら地球上で繁栄してきました。そこには、とうてい人間には作り出せないナノ構造や、実に洗練された機能性と安全性があることがわかってきました。例えば、タマムシやモルフォ蝶は美しい色や輝きを持っています。これは色素や顔料に由来するものではなく、昆虫の外皮やりん粉の微細な構造に由来するものです。この構造色の特徴として、色素や顔料による発色と異なり紫外線などにより脱色することがないことと、光の干渉による魅惑的な色彩があげられます。
本講演では構造色をはじめとし、昆虫のもつ機能やしくみを人間の役に立てようという技術、「インセクトテクノロジー」の話をしていただく予定です。
<15:35−16:20>
3)自然に学ぶ接着
(東大)山口 哲生
やもりが壁や天井に貼りつく仕組みが理解されたのは21世紀が始まってからで、その接着機構はやもりの指先の繊毛の大きさと幾何学的な構造に由来するものだとつきとめられました。これまでに数多くの研究者たちがやもりの接着機構に魅了され、やもりの繊毛のような接着構造を人工的に作成する試みを行っています。
本講演では、やもりの指先がもつ接着・剥離メカニズムについて、物理的に優れている点や既存の接着剤や粘着剤とはどのように異なるかについて議論してもらう予定です。
受付期間 2009年08月19日〜2009年11月12日
参加要領 1)定員30名(定員になり次第、締め切らせていただきます。)
2)参加費 @企業 3,150円
     A大学・官公庁 2,100円
     B学生 1,050円
     C名誉・終身・フェロー・ゴールド・シルバー会員 1,050円
     D接着と塗装研究会メンバー 無料
3)申込方法 当サイトからお申し込みの上、参加費を11月末日までにご送金下さい。
  参加証、請求書(希望者のみ)を順次送付させていただきます。
4)振込先 銀行振込<三菱東京UFJ銀行 銀座支店 (普通)1126232 (社)高分子学会>
     郵便振込<00110-6-111688 (社)高分子学会>
  振込手数料は振込人にてご負担下さいますようお願いいたします。
  銀行・郵便振替の領収書をもって本会からの領収書にかえさせていただきます。

※Webでの受付は開催前日11月12日(木)午前までとさせていただきます。以降は下記宛てお問い合わせ下さい。

社団法人高分子学会 接着と塗装研究会係
〒104-0042 東京都中央区入船3-10-9 新富町ビル6F
TEL 03-5540-3771  FAX 03-5540-3737