2010接着と塗装研究会講座
接着と塗装技術のエネルギー分野,環境分野への新展開
趣旨 2008年,日本が議長国をつとめた洞爺湖サミットにおいてG8加盟国は,2020年までの中期目標について,「野心的な中期の"国別総量目標"を実施することを求める」ことで合意しています。日本は2009年7月に,1990年比で2020年までに国内の温室効果ガス排出量を25%削減することを目標と定めました。この目標実現のためには,既存エネルギーから再生可能エネルギーへの転換やエネルギーの蓄積,省エネルギー化技術の積極的採用や資源の3R(リユース・リデュース・リサイクル)徹底などを,個人,産業,自治体,国家レベルで大胆に実行する必要があります。
周知の通り,有機溶剤を使用し,乾燥工程に熱源を必要とする接着と塗装分野において,環境保全と経済発展を両立させることは難しい産業であります。さらに一度接着したものや塗装したものをリユース,リサイクルしにくくさせているのもまた接着や塗装材料でもあります。
このような状況の中,人類社会の持続のためにどのように積極的な環境配慮技術を世界に対して訴えることができるかが,接着と塗装産業に問われています。
本講座は接着と塗装技術のエネルギー分野,環境分野に関わる最近の動向について紹介していただこうと企画したものです。この企画を通して明らかになったことは,大胆な技術の採用や既存の技術,材料を見直すことによってエネルギーおよび環境分野は,接着と塗装産業にとって利益を生み出す魅力的な市場であることでした。
この講座が,新たな知見やヒントを得る場として,あるいは全く違う方面への展開のきっかけを見つける場として活用いただけたら幸いです。多くの皆様の参加を期待いたします。
主催 高分子学会 接着と塗装研究会
開催日 2010年09月10日 10:00〜16:10
開催場所 すみだ産業会館会議室1.2 丸井錦糸町店9F
墨田区江東橋3-9-10

Tel:03-3635-4351
交通 JR線または東京メトロ錦糸町駅下車徒歩1分
プログラム <10:00〜11:00>太陽電池,リチウムイオン電池に用いられる構成材料
(アルケマ)斎藤 正一郎,松永 昌之
アルケマ株式会社の製品で最近注目を集めている太陽電池やリチウムイオン電池に使われる材料(EVA, PVDF)を取り上げ,その技術や開発状況に関して実例を挙げて紹介していただきます。太陽電池封止材に使われているEVA樹脂に関しては製造方法および構造・特長,その用途および応用展開に関しての基本的な知識や市場と今後の展望などを講演頂きます。
リチウムイオンバッテリーのバインダーに使われているPVDFに関してはエマルジョン技術を中心に一般特性から塗料・電池用途への応用技術と,配合例や開発事例を紹介して頂く予定です。
<11:00〜12:00>太陽電池モジュールと構成材料の信頼性試験
(エスペック)棚橋 紀悟
太陽電池モジュールの設計適格性確認および型式認証のための要求事項として,IEC規格やUL規格において,その試験方法が示されています。これらの試験方法の動向を紹介いただき,環境試験および環境試験機器に求められる要件・性能を解説していただく予定です。また,今後開発される多様な太陽電池モジュールにおいては長寿命化と高信頼性維持が求められ,これらへの高分子材料の利用に関しての試験動向についても紹介して頂く予定です。
<13:00〜14:00>主鎖ならびに側鎖分解型ポリマーを用いる易解体性接着材料の設計
(阪市大院工)松本 章一
熱や光によって容易に分解するポリペルオキシドを利用した分解性ポリマー材料の特徴や易解体性接着への応用例などを紹介する。
また,ポリペルオキシド以外の分解性ポリマーを用いた易解体性接着材料の開発状況について紹介して頂く予定です。
<14:00〜15:00>二酸化炭素塗装システム
(産総研コンパクト化学)相澤 崇史
塗装分野での環境問題への取り組みが強化される中,有機溶剤の代わりに二酸化炭素を希釈剤として用いるユニークな塗装が,VOCを始め環境負荷低減に寄与する画期的な塗装システムとして実用化されつつあります。この塗装法は高い意匠性を誇ることもまた特徴としており,そのメカニズムおよび最新の開発状況について紹介して頂く予定です。
<15:10〜16:10>遮熱塗料の設計ポイントと規格化動向
(日本ペイント)加茂比呂毅
近年,環境問題への意識の高さから機能性塗料である遮熱塗料への注目が高まっています。しかし,その性能に関してはようやく評価方法が標準化されたばかりで,遮熱塗料の性能や効果についてはなかなか正しく理解されていないのが現状です。本講演において,遮熱塗料への理解を深めるため,塗料設計のポイントや現在進んでいる製品JIS化の動向について説明して頂く予定です。
受付期間 2010年06月24日〜2010年09月09日
参加要領 1)定員90名
2)参加費 @企業 13,650円  A大学・官公庁 5,250円  B学生 2,100円
C名誉・終身・フェロー・ゴールド・シルバー会員 2,100円
D接着と塗装研究会メンバー a)企業10,500円 b)大学・官公庁4,200円
3)申込方法 高分子学会申込みサイト http://www.spsj.or.jp/entry/ からお申し込みいただき、参加費を9月末日までにご送金下さい。参加証、請求書(希望者のみ)を順次送付させていただきます。
4)振込先 銀行振込<三菱東京UFJ銀行 銀座支店 (普通) 1126232 (社)高分子学会>
郵便振込<00110-6-111688 (社)高分子学会>
振込手数料は振込人にてご負担下さいますようお願いいたします。
銀行・郵便振替の領収書をもって本会からの領収書にかえさせていただきます。
5)その他:演題・講演者は予告なく変更になる場合がございます。予めご了承下さい。

申込先 (社)高分子学会 2010接着と塗装研究会講座係
〒104-0042 東京都中央区入船3-10-9 新富町ビル6F
TEL 03-5540-3771  FAX 03-5540-3737

※※Webでのお申し込みは9月9日(木)午前までとさせていただきます。以降は上記宛お問い合わせ下さい。