06-1高分子学会講演会
高分子の振る舞いを理解する |
趣旨 |
高分子の高次構造や物性を予測して設計することは容易ではありませんが、その振る舞いを簡単なモデルを利用して理解することが初めの一歩になるはずです。本企画においては、簡単なモデルを用いて高分子を表現する高分子物理の考え方を紹介し、それらと現象(レオロジー、相分離等)との関係から、ミクロなモデルからメソ、マクロスケールへと拡張していく高分子物理学のエッセンスを学びます。さらに、最近のシミュレーション技術とそれらの応用例を紹介し、材料設計手法としての可能性を探ります。 <担当企画委員からのひとこと> 高分子の物理を一日でものにしたい、材料開発の諸問題の解決に高分子物理を役立てたい、高分子材料の開発を効率よく深化させたいという思いをお持ちの研究者の方々には特に有益な機会になると思います。 |
主催 |
高分子学会 行事委員会 |
協賛 |
日本化学会 |
開催日 |
2006年07月07日 10:20〜17:20 |
開催場所 |
東京工業大学 百年記念館フェライト会議室(3階)
目黒区大岡山2-12-1
Tel:03-5734-3331
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交通 |
東急目黒線・東急大井町線 大岡山駅下車徒歩約1分 http://www.titech.ac.jp/access-and-campusmap/j/o-okayama-campus-j.html |
プログラム |
10:20〜11:20 1)高分子の粗視化モデルの役割と基礎知識 (東北大学)川勝 年洋 高分子を用いた材料開発において、容易に認識できるマクロな現象だけをベースに材料を設計することは困難である。 そこで、高分子の分子的な特徴を取り入れつつ、マクロ現象をもカバーできるモデルとして、バネ―ビーズモデルのような「粗視化モデル」が重要な役割をになうことになる。この講演においては、高分子のバネ―ビーズモデルを出発点にして、粗視化モデルの概念と応用範囲の広さを、できるだけシンプルに説明する。
11:20〜12:20 2)高分子の粘弾性:分子運動とのつながり (京都大学)渡辺 宏 溶融高分子の粘弾性緩和は、鎖の配向異方性が熱運動で消失する過程を反映する。この緩和がバネ―ビーズ・モデルのような粗視化モデルに基づいて記述できることを、できるだけシンプルに説明する。
13:10〜14:10 3)高分子系の多様な相分離−ナノからミクロまで (東京工業大学・東京工芸大学)野瀬 卓平 極言すれば、分子集合体がつくるあらゆる「構造」は相分離によって形成されるとみることができる。マクロでの概念である「相」は、今日ではミクロ(あるいはそれ以下の)スケールでも用いられる。「相」の正しい扱いが要求される。この点に注意しながら、ナノスケールからミクロスケールまでの相分離現象を整理してみる。
14:10〜15:10 4)高分子計算機シミュレーションの現状 (東京農工大学)増渕 雄一 シミュレーションを材料開発に役立てるには、背景となる理論や計算の仕組みの大まかな理解とともに、実験と同じように、検討内容に応じたシミュレーター(実験機材)の使い分け、計算条件(実験条件)のデザイン、得られた結果の考察、が必要である。本講では、現在入手できる代表的なシミュレーターそれぞれの特徴と想定される使い方を説明し、現状で何ができるのか、今後どういう方向に発展していくのか、を考えたい。
15:20〜16:20 5)機能材料の疎視化モデリング (三菱化学科学技術研究センター)樹神 弘也 高付加価値材料にはナノ・メソスケールの複雑な構造を有するものが多い。機能面から材料を設計するためには構造由来のマクロ物性の予測が不可欠である。本講演では、このような機能設計を目的とした材料のモデリングについて述べる。
16:20〜17:20 6)メソ領域の計算法と高分子材料への応用 (豊田中央研究所)山本 智 散逸粒子動力学法(DPD)を用いた計算事例として、燃料電池用電解質膜のメソ構造予測、界面活性剤ベシクルのダイナミクス、紐状ミセルの通り抜けダイナミクス、高分子フィルム形成過程の計算などを紹介する。 |
受付期間 |
2006年04月18日〜2006年07月06日 |
参加要領 |
1) 定員100名 2) 参加費 @企業10,500円 A大学・官公庁8,400円 B学生・ゴールド・シルバー2,100円 年会費制会員の団体からのご参加は、何名様でも割引料金となります。 a) 会社8,400円 b) 大学・官公庁4,200円 3) 申込方法 WEBにてお申込ください。随時、参加証と請求書を送付いたします。 4) 参加費の支払い 請求書到着後7月末日までにお願いします。 銀行・郵便振替の領収をもちまして本会からの領収書とさせていただきます。 振込先銀行:三菱東京UFJ銀行 銀座支店 (普通) 1126232 社団法人高分子学会 郵便振込:00110-6-111688 社団法人高分子学会 5) その他 演題・講演者は予告なく変更になる場合がございます。予めご了承下さい。
申 込 先 (社)高分子学会 06-1高分子学会講演会係 〒104-0042 東京都中央区入船3-10-9 新富町ビル6F TEL 03-5540-3770 FAX 03-5540-3737
※Webでのお申し込みは7月6日(木)午前までとさせていただきます。以降は上記宛お問い合わせ下さい。 |