ブックタイトル高分子 POLYMERS 62巻10月号
- ページ
- 22/82
このページは 高分子 POLYMERS 62巻10月号 の電子ブックに掲載されている22ページの概要です。
10秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
このページは 高分子 POLYMERS 62巻10月号 の電子ブックに掲載されている22ページの概要です。
10秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
高分子 POLYMERS 62巻10月号
PolyMANGAPolyman画エネルギーマネジメントに寄与する光・熱制御材料illustrator:野中晶史特集の語り熱闘高分子に光あれ今月号は、我々に欠かせない光や熱とうまく付き合うことで省エネに貢献する高分子に関する特集を組ませていただきました。東日本大震災以降、原子力神話が崩壊して、原子力の使用の可否、原子力を使用する場合は、何に基づいて可と判断するのか、など議論するべきことが山積しています。そのなかで、再生可能エネルギーに関する議論が活発になり、主役として躍り出てきたのは太陽光・太陽熱発電、風力発電などの再生可能エネルギーです。日本では電力の買い取り制度も始まりました。しかし、その一方で、我々の日常生活を見た時に、エネルギーの供給源の問題の他に議論すべきことがいろいろとあることにも気づかされました。たとえば、夏に、各方面での節電により、原子力発電が何基も止10月号特集チーフ野末佳伸まっているのに停電することなく(なんとか)夏を乗り越えることができたことは、エネルギーの使い方すなわちエネルギーマネジメントの観点でもエネルギー問題の解決にかなり貢献できる部分があるのでは、と考えさせられる出来事でした。また、世界的にみると、たとえば70億人の世界中の人々が、もしも日本人と同じ水準のエネルギーを使った生活をしたと仮定して、それは、本当に地球にとって「サステイナブル」なのか、個人的には大いに疑問の残るところです。エネルギーマネジメントは、古くて新しく、しかも待ったなしの問題になりつつあるのではないでしょうか。最近の企業プレスリリース記事や廃熱利用に関するプロジェクトなどを見ていても、産官学の多くの科学者・技術者の方々は、この局面において、エネルギーを最大限、有効に使うための技術を確立できないか、いっそう真摯に向かいあっておられると思います。本号でご紹介する技術は数ある優れた技術のうちのほんの一部にすぎませんが、これからもこの技術分野で新たなイノベーションが数多く生み出されて、日本が、そして世界が、真にエネルギー的に「サステイナブル」な社会となることを願います。604 c2013 The Society of Polymer Science, Japan高分子62巻10月号(2013年)