高分子 Vol.59 No.4 2010年4月
高分子 Vol.59 No.4
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特集 海外で活躍する日本人研究者
グローイングポリマー Growing Polymers: A Personal Account
結晶の分子運動を追って
Chase the Dynamics of Crystals
堀毛 悟史
Satoshi HORIKE
<要旨>The author has been engaged in the fusion area of polymer and coordination chemistry, especially the dynamic functions of coordination polymer crystals.
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予想と実際
Prediction and Actuality
前田 壮志
Takeshi MAEDA
<要旨>I described in this report how I changed and polished myself through my research in the past decade. I learned that facing research with a sincere attitude leads to great discoveries beyond my imaginings.
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展望 COVER STORY: Highlight Reviews
独立して研究室をもつということ
Independent Career and Laboratory
黒田 賢一
Kenichi KURODA
<要旨>ミシガン大学で独立した研究室をもち始めてから直面したのは研究費の獲得が非常に大切であるということである。学生の授業料と生活費は研究室で賄わなくてはならない。またグラントの申請には多大なる労力と訓練を要する。学生指導においては,言葉や文化の違いにかかわらず,常日頃からのコミュニケーションが必要不可欠である。
Keywords: Grant Proposal / Startup / Tuition / Stipend / Student Training / Communication
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テニュアへの道
Road to Tenure
古賀 忠典
Tadanori KOGA
<要旨>研究のボーダレス化にともない,今後多くの日本人若手研究者が,海外のアカデミック機関にポストを求める機会が増えると予想される。本稿では,筆者の経験を踏まえながら,アメリカの大学の雇用制度(テニュアトラック)に関して,簡単に紹介する。
Keywords: Tenure-Track / Globalization / Academic Careers
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Homogeneous Catalyst for Isotactic Polystyrene 奥田 純
Jun OKUDA
<要旨>The development of homogeneous catalysts for the synthesis of isotactic polystyrene is reviewed from a personal standpoint of a Japanese scientist in the German academic system. Both interdisciplinary and international contacts on all levels have been helpful.
Keywords: Polymerization Catalyst / Stereoregular Polymerization / Polystyrene / Organometallic Chemistry
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北米での研究生活
Research Life in North America
原 正典
Masanori HARA
<要旨>カナダでのポスドク時代は仕事,生活とも非常に充実して楽しい時代であった。その理由として,カナダでは一人一人が自分のペースで研究をやり,私生活には,いっさい干渉しないことがあげられる。自我の確立された人間が研究室で研究に参加しているという感じであった。それに対し,日本では自分を抑えて集団に合わせるという感じが強かった。私生活は集団の目的のためには,犠牲にされることもあった。
Assistant ProfessorとなってRutgers大学へ移ってからは,毎日,仕事だけという忙しい日々を送った。しかし,苦労はいろいろあったが,精神的には非常に充実した時期であった。努力すれば,時間はかかるが,それが報われるということで,過去や現在のことをじっくり考える暇はなく,常に未来に向かって進んでいるという感じであった。
Keywords: Postdoc / Research / Self / Group / Assistant Professor
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ドイツで過ごした研究生活
A Japanese Researcher in Germany
樽見 和明
Kazuaki TARUMI
<要旨>日本の大学を卒業してから約30年になりますが,気がついてみるとそのうちの20年を越す時間を,ドイツでの研究生活にかけたことになります。どうしてこうなったかは,自分でも良くわかりません。いろいろな偶然が重なった結果だと思います。今やどの世界に身をおいても,グローバル化は避けられません。これから研究生活に入る若い方々に,私の経験が少しでも参考になれば幸いと存じます。
Keywords: Liquid Crystal / Scholarship Student / Physics
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フランスでポジションを得る
Working in France as a Permanent Researcher of the CNRS
成田 哲治
Tetsuharu NARITA
<要旨>私は2000年に北大の長田義仁先生の研究室で博士を取得し,日本とフランスで計3年半のポスドクを経て2003年10月よりパリで国立科学研究所(CNRS)の常勤研究員として高分子ゲルやコロイドガラスのダイナミックスを光散乱を用いて解析している。ポスドクからポジションを得るまで,その後の研究生活について感じたことを書いてみたい。
Keywords: CNRS / France
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本当にやりたいことをやってみたら?
If You would Really Like to do It, Go for It
小田 玲子
Reiko ODA
<要旨>とてもシンプルな分子から限りなくバラエティに富んだ形を作っていく分子集合体に魅せられて「自分でも頑張ったらできるだろう」とその場その場で進路を決めるという天性呑気ながら頑固な生き方をしているうちにアメリカ経由でフランスのボルドーに根を下ろしてしまった。これからの人生何が待っているのだろう?
Keywords: Career Selection / Mother and Researcher / France / Independent Research
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雑感―成功まではまだ長い道のり―
Random Thoughts on My Career as a Faculty Member
藤原 知子
Tomoko FUJIWARA
<要旨>本記事では,メンフィス大学で研究教育に取り組む筆者の,日々の感想や悪戦苦闘のようなものをランダムに書き留めた。渡米から現在に至る,短い道のりではあるが各段階で学んできた事柄を簡単にまとめた。成功するための苦労とともにやりがいのあるポジションであるアメリカの大学研究者について読み取っていただければ幸いである。
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Interdisciplinaryな環境のもとで
Under the Interdisciplinary Atmosphere
山越 葉子
Yoko YAMAKOSHI
<要旨> 比較的若輩の立場での米国の大学でのPrincipal Investigator(PI)としての生活を共同研究プロジェクトに重きをおいて記述する。とくにペンシルバニア大のナノテクノロジーに関する研究機関Nano/Bio Interface Center(NBIC)と,疾患のin vivo診断に関するMolecular Imaging Laboratories(MIL)の二つの研究組織と共同研究に関して具体的に記す。
Keywords: Interdisciplinary / Nano/Bio Interface Center / AFM functionalization / Molecular Imaging Laboratories / in vivo Imaging
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マイクロリソグラフィーに魅せられて
Fascinating World of Microlithography
鈴木 泰弘
Yasuhiro SUZUKI
<要旨> 現在のマルチメディア産業の発展は,半導体集積回路の微細化の歴史と言っても過言ではない。フォトレジストは,半導体集積回路製造に必須な化学材料であり,光リソグラフィー技術の進展とともに発展をしている。このフォトレジストの開発とマイクロリソグラフィーの世界に魅せられ,アメリカで十年以上,この分野での研究を続けている。
Keywords: Integrated Circuit / Photoresist / Microlithography
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10年間のポスドク生活
My Decade as a Postdoctoral Research Scientist
村田博宣
Hironobu MURATA
<要旨> 筆者はドイツのマックスプランク研究所高分子研,フライブルグ大学,米国のカリフォルニア大学バークレー校などで約10年間のポスドクフェローを経験し,幅広い知識と高度な表面修飾技術を習得した。そして現在勤務しているピッツバーグ大学McGowan再生医療研究所での研究生活の近況も報告する。
Keywords: Surface Modification / Functional Polymer Brush / Surface Initiated Atom Transfer Radical Polymerization / Antimicrobial Surface
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学問を通しての出会い
Reflection on My Encounters in Science
日下 勇
Isamu KUSAKA
<要旨> 研究を続けるなかで巡り会った恩師の方々との対話を回想し,それ等が現在研究者また教育者としての私の価値観に与えた影響について少々回顧してみたいと思う。
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果報は寝て待つ
Sleep and Wait for Good Luck
秋葉 和輝
Kazuki AKIBA
<要旨> 日本の化学メーカー東レに入社した私は,東レデュポン,ハイトレル技術部に配属後,東レ樹脂研究室での研修,米国での語学研修を受けました。その後,デュポンと東レ・デュポンの間で働くうち,両社の隙間を埋めるような存在になることを思い立ち,デュポンの中央研究所で働く現在に至ります。
Keywords: Polyester Elastomer / Hytrel®
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高分子科学最近の進歩 Front-Line Polymer Science
次世代有機系太陽電池開発の未来
Future Prospects for Pioneering Development of Next-generation Organic Photovoltaics
瀬川 浩司
Hiroshi SEGAWA
<要旨> Organic photovoltaics, which include dye-sensitized, organic thin film, and hybrid solar cells, are promising candidates for next-generation low-cost solar cells. In this review, an overview of future prospects for pioneering development of next-generation organic photovoltaics is described. Additionally, our recent studies on the novel solar cells such as interfacial charge-transfer, polymer-sensitized, and energy-storable solar cells are reported.
Keywords: Organic Photovoltaics / Dye-sensitized Solar Cell / Organic Thin Film Solar Cell / Hybrid Solar Cell / Surface Complex / Interfacial Charge-Transfer / Polymer-sensitized Solar Cell / Energy-storable Solar Cell
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