ポリワーズ B 

ポリワーズ

〔B〕


Biological Response Modifier (BRM)<p706>
日本語では生物応答調節物質とよばれており,生体の免疫系に働きかけて,その応答を調節する因子に与えられた総称である。本来は,がんの治療を目的とする薬剤の中で,生体がもともと有しているがんに対する免疫的抵抗機構を賦活化するものを指しており,1980年に,米国立がん研究所が中心となって組織された研究プログラム(BRMP)で取り上げられた物質群が主である。BRMとしては,宿主のがん免疫を賦活化する免疫療法剤および,免疫賦活化能のみならず白身で抗がん活性を有する薬剤(例えばインターフェロン)が含まれ,狭義の定義では,後者のみを指す場合もある。BRM に分類される物質としては,(1)免疫療法剤(BCGなど),(2)リンホカイン,サイトカイン類(インターロイキン,インターフェロンなど),(3)胸腺ホルモン類,(4)モノクロナル抗体など多岐にわたっている.BRMが注目されてきた背景には,サイトカイン類が物質として同定され,また,その生物学的な作用が明確となってきたことがあげられる。最近では,BRMの概念はより広いものとなり,がん免疫に限らず生物の免疫系に対して調節作用を示す一群の物質全体に対する呼称となりつつある。
Kobunshi, Vol.41, p.722(1992)