ポリワーズ L 

ポリワーズ

〔L〕


LCST温度<p356>
二種のポリマーの混合系は,それらの混合比と温度とをパラメーターとした相図によって,一相域(相互に分子レペルで混ざって分離しない範囲)と二相域(相分離する範囲)とに分かれることが示される。ほとんどのホモポリマーの組合せでは,一方の成分が極く少量の時を除いては全体が二相域を与えることが,古くから知られている。  1970年代以降,組合せによっては,一相域を持つ相図を与えるものが報告される様になってきた。それらの中で,低温側では均一相を与えるが高温時に相分離が認められる系の相図は,下に凸な曲線となる。その形状から,この組み合わせはLCST(lower critical solution temperature)型と呼ばれている。その組成によって定まる一相~二相の転移温度がLCST温度と名付けられている。ランダムコポリマーを用いる相溶系ポリマーアロイでは,多くの場合LCST型の相図を与えることが知られている。
Kobunshi, Vol.43 , p.369 (1994)

LOI(Limiting Oxygen lndex)値<p727>
繊維材料の燃焼性を評価する方法の一つで,「所定の条件下において,材料が燃焼を持続するために必要な最低酸素濃度の数値(O2 vol.%)」をLOI(酸素指数)として示す.試験法はJIS K-7201 (高分子材料の酸素指数燃焼試験方法)に定められており,代表的な繊維のLOI値は綿およびレーヨンが18~19%,絹および羊毛が23~24%,ポリエステルおよびナイロンが20~21%である。大気中で全焼する繊維素材はLOI値が21%以下であり易撚・可燃繊維に属する。自己消炎性を示す難撚繊維のLOI値としては,アクリル系が26~30%,難撚化ポリエステルが26~28%,芳香族ポリアミドが28~29%,塩化ビニリデシが45%で ある。繊維素材は易燃性,可燃性,難燃性および不燃性に分類され,易撚・可燃繊維は用途によっては難燃加工が必要である。燃焼性め他の評価法は「一定加熱条件で燃焼させたときの炭化長,炭化面積,残炎時間等」を測定する方法でJIS L-1091(繊維製品の燃焼試験方法)に定められている。
Kobunshi, Vol.43 , p.744 (1994)