高分子学会設立50周年にあたって

高分子学会設立50周年にあたって

 高分子学会は,200112月に設立50周年を迎えました.「高分子論文集」は,高分子学会の前身である財団法人高分子化學協会によって1944年(昭和19年)10月に「高分子化學」として創刊されて以来,本年で第59巻となります.その間,本誌は,93/4号(19525月)から高分子学会刊行となり,その名称も「高分子化學」から「高分子化学」へ,そして311号(19741月)から「高分子論文集」に変更されて今日に至っています.

 このように,「高分子論文集」は,高分子学会の刊行物の中で最も古い歴史を有しているのみならず,世界においても最も古い高分子専門の原著論文誌として発展を続けて参りました.これは,ひとえに歴代の本部役員のご指導,ご支援と編集委員を務められました諸先生,御関係の皆様方の献身的なご尽力と会員のご協力の賜物であり,深い敬意を表する次第でございます.

 「高分子論文集」は,昨年第581号からA4判化されてより読みやすくなり,また,内容も一般論文,速報,ノート,総合論文に加えて,本年第59巻から新たに総説を導入することになりました.これにともない,投稿規定を一部改めるとともに,執筆の手引も改訂いたしました.国際化と英語版論文誌の増加に伴い,日本語版論文誌の占める比重は相対的に減少していることは否めませんが,それでも,伝統に支えられた「高分子論文集」は根強い人気を保っております.とくに,年2回の特集号に際しては,多数の論文投稿をいただいており,多くの場合,2分冊になっております.本年の特集号は,高分子学会設立50周年記念として,「遷移金属触媒重合の新展開」と「高分子系のナノ構造と物性・機能」の2つのテーマを企画しております.また,1999年から始まった若手研究者による単独執筆の総合論文集「高分子科学・工学のニューウェーブ」は,質の高い総合論文集として好評を博しております.

 「高分子論文集」の更なる発展に向けて,編集委員一同,心をひきしめて努力する所存でございます.会員の皆様には,質の高い論文を奮ってご投稿下さいますよう,ご理解とご協力を切にお願い申し上げます.

社団法人 高分子学会

高分子論文集・出版委員会

25期委員長 城田 靖彦