[第20回ポリマー材料フォーラムポスター賞選考報告] |
20PMF 運営委員 魚津吉弘 |
ポスター賞の選考は過去最高であった一昨年には及ばないが、発表件数1 7 0 件うち審査対象1
4 3 件という多くの発表の中から優秀賞の選考を行い、4 つのセッションから各数件の優秀賞の選考を行った。5名のフェローの方を含めセッションごとにセッションオーガナイザーが中心になって1
0 名以上の審査団で審査を行い、表彰対象全発表の中から順位をつけて、まず優秀発表賞候補を複数選定した。次に各セッションから推薦された優秀発表賞候補を選考委員会にて審議し、優秀発表賞を決定した。 審査団による審査は、コメンテーターの誘導で行われるプレゼンテーションに複数の審査員が同行し、必要に応じて自ら質問するなどして、下記の表彰の基準に従って行った。また、疑問が残る発表、もう少し詳細を聞く必要がある発表については、別の時間に質問するなど、ポスターの掲示時間を最大限に利用して審査を行った。なお、すべての発表を可能な限り同じ条件で審査することに努めたため、審査員の方々には肉体的、精神的にも大きな負担を強いることとなった。 < 表彰の基準> @ 発表内容: 新しい材料および技術としての可能性を見出したあるいは予見させる高分子材料及び関連技術、A プレゼンテーション: 質疑に対する適切な応答、ディスカッション、B ポスターの論理性・ビジュアル性: 発表者がその場にいなくとも一見して発表を理解できるような構成、並びに人を引きつける特徴的・魅力的なポスターであるか。 表彰件数は、各分野のバランスを考慮し、A 及びC セッション3 件、D セッション2 件、B セッション1件と、9 件をバランスよく選出するに至った。なお、選出されなかった発表にも高い評価が集まったものがあったことを記しておきたい。表彰の対象は、希望により発表者あるいは発表者のグループとしており、今回は、発表者個人受賞4 件、グループ受賞5 件であった。 ポスター会場は、今回は従来の東京開催とは異なり、会場が2 ヶ所に分れていた。会場が広くなったことによって、ポスター前の空間が広くなり、多くの人が同時にポスターを見ることができ、十分な議論を行える場が提供されていたと思われる。ポスターはビジュアル的にも工夫され、発表者の説明も分かりやすいものが多く、聞く側への配慮がなされた発表が多く、よく理解できた方が多かったのではないかと思われる。最後に、受賞者はこれを機会にさらに飛躍していただきたい。また惜しくも選ばれなかった方々並びに参加していただいた方々には、今回の情報が研究開発推進の糧となることを期待したい。9 件の受賞者は以下のとおりである。 |
Aセッション | ・ 骨再生を目的としたカルシウム結合性を有する絹様タンパク質の作製ならびキャラクタリゼーション
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・ 抗血栓性中空糸膜の創出
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・ CO2 親和性の高い非ハロゲン系イオン液体の合成およびCO2/H2 分離膜への応用
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Bセッション | ・ UV または熱硬化可能な全フッ素化透明樹脂
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Cセッション | ・ 環動高分子を用いたエラストマーと機能
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・ ポリメタクリル酸メチル/ポリビニルブチラールアロイの開発
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・ 超撥水・超親水ポリマーコーティング:表面ナノ構造に基づく濡れ性制御技術
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Dセッション | ・ 高分子直接グラフトセラミックスナノ粒子
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・ 表面無機化コート:新規有機無機ハイブリッドフィルムのナノインプリントへの応用
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