[第22回ポリマー材料フォーラム報告]

22PMF                   
運営委員長 安田知一
 平成25年度ポリマー材料フォーラム(22PMF)がタワーホール船堀(東京)を会場として、11月28、29日の両日開催されました。船堀での開催はPMF14(平成17年)から隔年で行われており、今回で5回目になります。
 昨今の産業振興の社会的機運の中で、世の実用に供される高分子技術を科学的観点だけでなく新たな材料特性や材料性能に注目して情報交流を図る産官学の技術交流場としてPMFは益々重要な役割を担っております。
 本年度は、従来からの四つのセッションで募集を行い、143件のポスター発表と32件の招待講演を行いました。
 発表申し込み数が例年に比して若干低減したため参加者の減少が危惧されましたが、181名の当日登録を加えて、計658名の参加者があり、盛況な中で無事終了致しました。テーマ設定・プログラム作成から当日のコメンテーター、ポスター賞審査まで、運営委員およびフェローの先生方には大変なご尽力を賜りました。また、学会事務局の方には会場準備から当日の運営まで円滑で心強い対応をいただきました。さらに、明快でわかりやすい講演・発表をしていただいた諸先生、ポスター発表者、および活発なディスカッションをしていただいた参加者、さらに、展示にて会を盛り上げていただいたスポンサーの皆様方に心より厚くお礼申し上げます。
 ポスター会場では、Aセッション「ライフサイエンス・環境材料」27件、Bセッション「電気・光・情報・エネルギー関連材料」28件、Cセッション「高性能・高機能材料」50件、Dセッション「ポリマー材料の設計・合成・加工・解析」38件の計143件の発表が、企業、大学、独立法人からバランス良く発表され、活発な交流が行われました。以上の発表の中から、コメンテーター、担当運営委員、およびフェローの先生方による厳正な審査の結果、Cセッションから3件、BおよびDセッションから各2件、Aセッションから1件と、合計8件の優秀ポスター賞が選出されました。選考に当たっては、発表内容に加えて@プレゼンテーション、Aポスターの論理性およびBビジュアル性(わかりやすさ)も加味して評価されました。今回のPMFポスター賞受賞者は「高分子」2014年2月号にて発表されるほか、来年の高分子学会年次大会(総会)にて会長より表彰され、楯が授与されます。今回のポスター賞をあらためて見ると、「時代・市場の要求に確たる基礎技術で応えるもの作り」の重要性が再認識されました。
二つの講演会場で2日間にわたり、A〜D各分野における最先端研究の講演が、いずれも興味深い内容で行われました。どの会場でも講演後には活発にディスカッションが興り、「厳しい課題に向き合う姿勢」「僥倖に辿り着くための展開」「研究の苦しさ・楽しさ」等を実感し、理解することができました。初日の夕方には恒例のミキサー(参加費:無料)が多くの参加者を集めて行われ、各所でディスカッションの輪ができ、明石会長、渡邉関東支部長などの挨拶を含め、大いに盛り上がりました。
 高分子学会会員の半数以上を占める企業研究者への会員貢献の一環として、PMFは実学としての高分子科学の観点から、産官学間の材料技術情報の交換、技術者の交流、協力関係構築の促進等の効果を以て高分子学会の大切な主催行事の一つとして定着して参りました。今回、初日夕方のポスター会場においてある企業の発表者から「今日はとても有意義だった。もう一日ポスターを貼らせて貰えないか?」とのお声を頂戴しました。会を催す側として最上の喜びに値するご意見でした。このような要望にお応えできる道を探りながら、時代と会員の要望にお応えできるPMFであり続けたいものだとの思いを改めて強く致しました。
 来年度は、奈良での開催となります。今後もPMFを材料発表に関する有用な場として活用戴ければ幸甚です。皆様のご参加とご協力をお願い申し上げます。
講演会場 ポスター会場


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第22回ポリマー材料フォーラム