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第59回高分子夏季大学プログラム

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総合講演 3件
16日14:00-17:20

        
14:00-15:00 総合講演1:翻訳合成系を利用した大環状ポリペプチドの機能探索
東京大学大学院理理学系研究科 教授 菅 裕明

天然物のような特殊アミノ酸を含む多様な特殊ペプチドを人工的にライブラリー化する技術(RaPIDシステム)を開発し、様々な標的タンパク質に対し特殊ペプチド薬剤の発見を進めている。本講演では、「小さな高分子」としての視点から、特殊ペプチド創薬を考える。
15:10-16:10 総合講演2:炭素繊維複合材料の研究開発と地球環境への貢献
東レ株式会社 複合材料研究所 所長 遠藤 真

炭素繊維複合材料(CFRP)は高強度、高弾性率、低比重の特徴を持つ材料であり、環境・資源問題への関心の高まりから注目を浴びている。本講演ではPAN系炭素繊維の特性およびその加工方法、各種用途展開について概説し、さらに、最近の技術開発トピックスも紹介する予定である。
16:20-17:20 総合講演3:日本の科学技術の将来像と科学技術政策
科学技術振興機構 理事長 中村 道治

わが国は、健全な経済成長や持続的社会の実現を目指して、革新的な研究開発への投資を進めています。今講演では、科学技術の国際優位性をどのように確保していくかという観点で、研究動向や研究制度について最近のトピックスを紹介し、今後のあり方を考察します。
17:30-19:30 ミキサー(交流会)


分科会講演 全24講演
17日(18講演) 9:00-12:20、14:00-17:20

              
会場 A会場 B会場 C会場
分科会 入門・基礎「合成・物性」 最先端複合材料 ライフイノベーション・グリーンイノベーション
9:00-10:00 A-1) 澤本 光男(京大院工)
精密重合と精密高分子合成: 次世代を目指して
精密重合の最近の動向を重合の精密制御に焦点を当てて概観し、とくに精密ラジカル重合の進展を述べる。また、ラジカル重合やイオン重合における精密重合の応用展開にも触れ、この分野の将来を展望する。
B-1)井上 隆(山形大)
複合材料:既存と最先端
複合材料の分野では、ACM(先端複合材料)という用語が使われてきた。スペースシャトルが飛び始めたころからである。スチールやシリカをマクロ・ミクロに複合した省燃費タイヤこそ最先端CMであるが、そうは呼ばれていない。炭素繊維複合材料を事例として“最先端”について論じる。
C-1)前田 瑞夫(理研)
ソフトな界面の特異な物性とバイオ機能
ソフトな界面の特異な物性とバイオ機能生体高分子や高分子電解質などがつくる界面は、バイオチップやバイオマテリアルの性能を支配する。このソフトな界面は、水分子やイオンを含んだ3次元的な厚みのある層であり、表面とも2次元界面ともバルクとも異なる特異な場である。その特徴的な物性とバイオ機能を解説する。
10:10-11:10 A-2) 横澤 勉(神奈川大)
縮合系高分子やπ共役系高分子の精密合成
重縮合で得られるポリアミドやπ共役系高分子は、分子量を制御し、分子量分布を狭くするのは不可能と思われてきた。しかし、連鎖重合で進行する縮合重合によってリビング重合と同様に縮合系高分子も精密に合成できるようになった。この重合法の開発と最近の進展について講演する。
B-2)山口 政之(北陸先端大)
分子配向の制御による高性能材料の設計
流れと垂直方向に分子を配向させたり、ベニヤ板のような構造を形成した射出成形体を設計したりする方法を紹介するとともに、それらの力学徳性などについて説明する。
C-2)田中 賢(山形大)
先進ヘルスケア・医療を支える生体親和性高分子のデザイン
健康寿命の延伸を目指したバイオ・医療製品の研究開発には、生体との相互作用を制御できる材料開発が必須である。本講演では、生体親和性高分子材料の中間水コンセプトによる設計指針の提案と精密合成について述べる。
11:20-12:20 A-3) 木村 邦生(岡山大)
縮合重合による高分子の精密合成 −一次構造から高次構造まで−
縮合重合は,利用できるモノマー構造や反応種の多様性から,高性能材料に留まらず高機能性材料を創り出すための重要な技術である。最近になって,数多くの新しい縮合重合法が開発されている。本講演では、材料の高次構造形成の観点から縮合重合の新たな可能性を紹介する。
B-3)植村 卓史(京大)
金属−有機ナノ空間材料の開発と高分子化学への応用
近年、金属イオンと有機配位子の自己集合によって構築される多孔性金属錯体が注目を集めている。本講演ではこの新しい多孔性材料の特徴を述べ、種々の高分子材料の合成や物性を制御できる有用な場となることを解説する。
C-3)清水 達也(東京女子医大)
再生医療本格化のための細胞シート工学
再生医療が近年大きな注目を集めている。根治治療の可能性が期待される再生医療は、幹細胞生物学と組織工学の近年の大きな進展により、一部の領域ではすでにヒト臨床応用が始まっている。本講演では、体系的に開発に取り組んできた次世代組織工学技術である細胞シート工学とその成果を紹介したい。
講師を囲んでの質問の会
14:00-15:00 A-4) 中川 佳樹(カネカ)
原子移動ラジカル重合の工業化
リビングラジカル重合技術の一つである原子移動ラジカル重合を用いてテレケリックポリアクリレートの工業化に成功した。この技術内容と共に、先端的な基礎技術を工業化するまでの経緯、ポイントについても述べる。
B-4)北條 正樹(京大)
CFRPの破壊のマクロ・マイクロメカニズム
炭素繊維強化複合材料の破壊の機構は、その微視的な構造に大きな影響を受ける。繊維と樹脂の空間的配置の影響を実験的に検討した結果を報告する。併せて基本的な特徴と最新の応用例についても触れる。
C-4)山岡 哲二(国立循環器病研究センター)
臨床化を意識したバイオマテリアル表面修飾-脱細胞小口径血管実用化への挑戦-
ポリ乳酸や脱細胞組織など再生医療用バイオマテリアルの新しい機能化修飾法について概説し、これらに基づいて我々が開発している、活性型神経誘導管と世界初小口径脱細胞人工血管の現状について紹介する。
15:10-16:10 A-5) 伊丹 健一郎(名大)
材料科学と生命科学を加速するC-HカップリングC-Hカップリング(C-H活性化)という理想的な分子連結反応の重要性とこれを促進する我々のユニークな新触媒の開発について概説したあと、C-Hカップリングを使った生物活性物質(創薬関連分子や植物科学関連分子など)の迅速合成ならびに新しいナノカーボン分子の創製について紹介する。
B-5)長谷川 篤彦(日本化薬)
エポキシ樹脂の高機能化に向けた構造設計情報通信産業の急速な発展に伴い、電子材料の特性コントロールは重要な課題の1つである。本講演ではエポキシ樹脂素材の構造と特性の相関を概観し、特性コントロールを行なった先端のエポキシ樹脂素材について紹介する。
C-5)向田 雅一(産総研)
導電性高分子薄膜を用いた高効率熱電変換材料の開発状況未利用の低温(150℃以下)排熱を活用するために、最近注目を集めてきた有機熱電材料を用いる手法についての可能性及び現状を解説する。さらに、有機熱電材料の特性評価手法のポイントについて詳細に解説する。
16:20-17:20 A-6)田中 敬二 (九大院工)
高分子固体の緩和現象と界面の効果
高分子の「固体」はレオロジー的に定義された物質であり、観測時間が緩和時間よりも十分に長ければ流動し、「液体」として振舞う。動的力学緩和測定で得られる粘弾性関数とその温度および時間の効果について考えた後、さまざまな界面における高分子の緩和現象について議論する。界面における高分子物性は3次元バルク試料で蓄積されてきた知見に基づき理解することは困難な場合が多い。界面制御に基づく高分子材料の展望についても述べる。
B-6)小林 定之(東レ)
ポリマー“ナノアロイ”の構造制御と実用化東レでは、従来のポリマーアロイ技術を大きくブレークスルーする技術の研究開発に取り組み、ナノオーダーでアロイ構造を形成させる独自のナノテクイノロジーである“ナノアロイ”技術を開発している。これらの技術と材料の特徴を紹介する。
C-6)矢野 浩之(京大生存圏研)
セルロースナノファイバーの性能と利用 −日本には資源も知恵もある−
セルロースナノファイバーは、木材等植物バイオマスの50%を占める軽量、高強度、低熱膨張のナノファイバーです。本講演では、様々な分野で進む用途開発や表面化学変性等について紹介します。
講師を囲んでの質問の会


18日(6講演)9:00-11:10

      
会場 A会場 B会場 C会場
分科会 入門・基礎「合成・物性」 最先端複合材料 ライフイノベーション・グリーンイノベーション
9:00-10:00 A-7)竹中 幹人(京大)
散乱法による高分子系の階層構造解析
高分子をはじめとするソフトマターは、内部に多くの自由度を有し、階層構造を形成する場合が多い。本講演では各種散乱法による高分子系の階層構造などを解析する方法について解説する。
B-7)竹市 力(豊橋技科大)
複合材料開発における高分子材料の高性能化
宇宙航空や産業分野などをはじめ、高耐熱性を有する複合材料のニーズが高まっている。高耐熱性複合材料開発のカギはマトリックス樹脂である。近年、開発研究が進行しているポリイミドおよび開環重合で得られるフェノール樹脂であるポリベンゾオキサジンなどを中心に紹介する。
C-7)四橋 聡史(パナソニック)
光触媒の原理を利用した無機系人工光合成システムの開発
二酸化炭素を水と光で再資源化する「人工光合成」を無機の半導体で実現した。この反応では電子の高いエネルギー励起が必要なため、通常の酸化物光触媒での実現は困難であったが、我々は窒化物半導体を工夫することでこの反応の可能にした。当日は、最近の進展とともにこれを報告する。
10:10-11:10 A-8)下村 武史(農工大)
導電性高分子の電気伝導
π共役系をもつ導電性高分子の電気伝導は、荷電ソリトン、ポーラロン、バイポーラロンの形成とそのバンド構造の発達に起因します。加えて、キャリア伝導にはアモルファス系特有の機構が介在します。以上の点を踏まえて、導電性高分子の電気伝導の基礎をお話しいたします。
B-8)友納 茂樹(産総研)
スーパーグロース単層ナノチューブの特長と用途開発状況について
産総研にて開発されたナノカーボンの材料であるスーパーグロース単層ナノチューブについて、その特長と用途開発状況にて講演する。従来のナノチューブが保持しない特徴からゴム、樹脂、金属材料分野で新たな用途展開が開けている。
C-8)内藤 勝之(東芝)
グラフェン超薄膜と銀ナノワイヤを用いた透明電極フィルムの開発
ITO代替、ITOにはない機能を持つ透明電極を目標にグラフェンと銀ナノワイヤの積層構造からなる透明導電フィルムを開発した。作製方法とその特徴、仕事関数制御等について紹介する。
講師を囲んでの質問の会
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