JavaScript対応ブラウザで表示してください。
S15.最先端微細加工・ナノ造型材料、技術と機能
(東京理科大学理工学部)山下 俊
(東京応化工業)緒方 寿幸
<趣旨>
 光電子デバイスを構築する上で材料のナノオーダーの構造制御が機能発現において重要な役割を果たしている。従来、微細加工を行う道具として「光」が大きな役割を担ってきたが、光反応材料と光加工技術の進歩とアンサンブルによって加工サイズの超微細化とそのナノ構造に基づく先端的光電子機能がもたらされている。
 なかでも、エレクトロニクスや光情報記録、表示材料の分野では、光反応材料の屈折率や光反応を制御することによって従来の光による微細構造制御の限界を超える技術がもたらされている。ナノ造型分野では超分子や相分離構造などの自己調整的機能をもつ材料を駆使することによってボトムアップ的な構造制御を可能にする先導的材料がもたらされている。また、物質移動や相分離、高エネルギー反応を利用した機能表面の構築も有力なボトムアップ技術となっている。さらに、精密に微細構造制御を行うために量子ビームを用いた反応や多光子反応プロセスを利用した三次元構造制御などの新しいプロセス技術が従来の加工の限界を超えた微細構造制御を可能にしている。
 これらの最先端技術によってもたらされたナノ微細構造は、半導体プロセスをはじめとして、有機EL、有機光電導体、有機光電変換膜、ディスプレイ用材料、光学素子、フォトニクス素子、生体・医用材料など、今日の先端デバイスの鍵として機能しており、ナノ微細構造の構築とそれに基づく機能は多くの研究者の興味の対象となっている。
 このように最先端の光加工技術と先導的光機能材料の協調が極限的機能素子構築には欠かせない。そこで光と高分子を軸として、ナノ構造と微細加工の「材料」と「プロセス」およびその「機能」の立場から研究者が集い、ナノ構造の構築とそれに由来する光電子機能について議論する。
閉じる