S13.ナノカーボンと高分子の相互作用・機能・応用 |
(東京工業大学大学院理工学研究科)住田 雅夫 (早稲田大学理工学総合研究センター)由井 浩 |
<趣旨> ナノマテリアルやナノテクノロジー領域への研究投資が集中的に世界規模で行われており、積極的な研究開発が広範な産業分野で急速に展開されている。カーボンブラック(CB)、気相成長炭素繊維(VGCF)、カーボンナノチューブ(CNT)、フラーレン(Fullerene)などのナノカーボンが構造材料や機能材料として大きな成長が期待されている分野としてポリマーコンポジットがある。ナノカーボン/ポリマーコンポジットはポリマーアロイの設計範囲をはるかに超える高度の物性、機能の設計が可能である。このようなポテンシャルを生かしてさらに高性能・高機能化を目指す研究開発が盛んに行われている。ナノカーボン/ポリマーコンポジットの高性能発現の要因にはポリマーとナノカーボンとの間に強い相互作用が形成されていることと階層構造が形成されその中でミクロ構造が制御されていることが重要である。又高機能発現の要因としてナノカーボンは自己組織化により三次元の粒子間ネットワークを形成する性質を有している。ナノカーボンの持つ、このような自己組織化能力を積極的に活用することは、高機能ポリマーコンポジットの一つの有力な攻め方として注目される。今後の展望として、ナノカーボンの分散制御および分散評価技術の確立が挙げられる。現在ナノカーボン/ポリマーコンポジットが盛んに研究されているが、ナノスケールの分散制御技術はほとんど未確立であるのが現状である。ナノスケールの制御技術を数百nm→数十nm→数nmと段階的に地道に上げて行くことが必要である。次世代のポリマーコンポジットを考えるとき、自然界の材料の持つ知能材料の要素を積極的に取り入れて行くことが大きなポイントであろう。以上のように本テーマはナノカーボン/ポリマーコンポジットの相互作用、自己組織化、階層構造、をキーワードとしてポリマーコンポジットの物性評価、構造解析、機能解析に関する研究に興味を持つ研究者が会して、新規なポリマーコンポジットの創製につながる討論をしたいと考えています。 |
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