高分子 Vol.59 No.1 2010年1月
高分子 Vol.59 No.1
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特集 グローイングポリマーは今
グローイングポリマー Polymer Science and I: A Personal Account
化学と臭い
Chemistry and Smell
植村 卓史
Takashi UEMURA
<要旨>This personal account reviews my research life and valuable experience from the viewpoints of chemistry and smell.
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有頂天奈落のポリマー合成マスター
Research Aspiration Pursuit of Polymer Synthetic Chemist
中出 宏
Hiroshi NAKADE
<要旨>My scientific aspiration encompasses directions and whereabouts of my research career, providing an academic voyage to US for a PhD degree. A five years process imparted me with knowledge of polymer synthetic arts, and ability to think rationally and logically.
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展望 COVER STORY: Highlight Reviews
「グローイングポリマー」は出発点であった
“Growing Polymer” was Launching Pad
佐藤 智典
Toshinori SATO
<要旨>1991年にグローイングポリマーを執筆して20年が過ぎた。その間に京都大学,東京工業大学,慶應義塾大学に所属した。生体高分子や医用高分子の分野を中心に,細胞と糖鎖のかかわりに興味をもち続けて研究を行っている。とくに,糖鎖を用いたDDS,生体膜モデル,糖鎖認識にかかわるペプチド,糖鎖プライマー法の研究を軸にして研究を展開している。
Keywords: Drug Delivery System / Glycan / Polysaccharide / Peptide / Saccharide Primer
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メタロセン触媒の開発―工業化を目指して―
Development of Metallocene Catalysts: Aimed at Industrialization
筒井 俊之
Toshiyuki TSUTSUI
<要旨>グローイングポリマーに執筆して18年が経過しようとしている。道のりは厳しかったが,幸運にも自分の手で開発した技術を世の中に出したいという当時抱いていた夢が現実のものとなった。その一端を紹介し,夢を追い続け研究に邁進している読者の皆様の励みになれば幸いである。
Keywords: Catalyst / Metallocene / Ethylene / α-olefin / LLDPE Polymerization / Long-Chain Branching / Gas Phase
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Long and Winding Road …♪ 彌田 智一
Tomokazu IYODA
<要旨>紆余曲折の20年を振り返り,若い頃の悪戦苦闘を紹介する。京都で導電性高分子薄膜の研究をしていた頃,電子移動の制御を研究するために米国アルゴンヌ国立研に異動した。電子線加速器を用いた放射線物理化学にとまどいながら,溶媒和電子の研究を行った。その後,KAST,都立大,東工大に異動し,結局,高分子材料の分野に戻ってきた。
Keywords: Superlattice Structure / Conducting Polymer / Electron Transfer / Solvated Electron / Polymer Materials
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へそ曲がりの科学
Unexpected Polymer Science
長崎 幸夫
Yukio NAGASAKI
<要旨>グローイングポリマーが始まったころ,諸外国から「基礎研究ただ乗り論」というバッシングを受け,わが国では研究費を大幅に増やし,「独創的研究を」の号令の下に進んできました。筆者は独創的という言葉に苦しみつつもこの20年,研究を楽しみつつ,「そんなはずはないだろう。」と言うものの,「なんでだろう。」との思いで研究を進めてきたいくつかの例を紹介したい。
Keywords: Poly(ethylene glycol) / Gold Nanoparticles / ELISA / Chaperone / Patterned Cell Culture / Biointerphase
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ソフトマター物理における前駆現象
Pre-Transition Phenomena in Soft Matter Physics
今井 正幸
Masayuki IMAI
<要旨>高分子の結晶化機構の解明からスタートし,界面活性剤・液晶・コロイドと,さまざまなソフトマターと呼ばれる物質群が示す構造相転移を,とくにその前駆現象に着目して研究を進めてきた。最近はモデル生体膜の形態転移を通してソフトマターのもつ新しい可能性について研究を展開している。
Keywords: Soft Matter Physics / Pre-Transition / Polymer Crystallization / Neutron Scattering / Order-Order Transition / Amphiphilic Molecule / Bio-membrane
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研究人生の岐路にたって:過去・現在,未来へ向けて
Standing at the Crossroads of My Research Life: Past, Present and Future
八島 栄次
Eiji YASHIMA
<要旨>この15年間の高分子化学に関する研究人生を振り返って,自身の軌跡と今後について述べる。
Keywords: Growing / Reminiscences / Friendship / Motto / Roller-Coaster Research Life
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私の研究テーマ変更法
My Way to Change Project
横澤 勉
Tsutomu YOKOZAWA
<要旨>約15年前にグローイングポリマーにシクロブタン類の開環重合について掲載された後,研究テーマは,主鎖側鎖同時構築重縮合,連鎖縮合重合,触媒移動縮合重合と変わった。最初は達成したい概念のために新奇モノマーの重合を行っていたが,やがて既知のモノマーでその概念を実現するものを見つけることができた。
Keywords: Polycondensation / Living Polymerization / Chain-Growth Condensation Polymerization / Polyamide / Catalyst Transfer / π-Conjugated Polymer
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想像力と独創性
Imagination and Creativity
一ノ瀬 泉
Izumi ICHINOSE
<要旨>高分子の研究者は,溶液化学に裏打ちされた想像力を育むことが重要であろう。学生の頃,錯体化学やコロイド化学を学び,水中の分子やイオンを容易に想像することができた。しかし,最近,水溶液の化学が実に複雑で,不可思議だと感じるようになってきた。高分子は,さらに複雑であり,独創的な材料の開発には,豊かな想像力が不可欠であろう。
Keywords: Imagination / Solution Chemistry / Creativity / Innovative Polymer
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究極の精密重合をめざして
Ultimate Dream for Precision Polymerization
上垣外 正己
Masami KAMIGAITO
<要旨>前回執筆時以降のリビングラジカル重合の開発,留学を通じて得た有機金属化学や配位重合に関する経験と帰国後の研究展開,転勤をきっかけとした立体特異性リビングラジカル重合の研究,研究室を主宰する立場となってからの配列制御高分子や植物由来モノマーの精密重合など新たな研究や夢について,そのときの気持ちも踏まえつつ述べる。
Keywords: Living Polymerization / Radical Polymerization / Coordination Polymerization / Transition Metal Complex / Stereospecific Polymerization / Sequence-Regulated Polymer / Plant-Derived Monomer / Precision Polymerization
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快適な暮らしに役立つ新素材を目指し続けて
New Materials for a Comfortable Life
土岐 育子
Ikuko TOKI
<要旨>研究テーマや社内での立場が変わりながらも,グローイングポリマー執筆時の副題「快適な暮らしに役立つ新素材を目指して」をテーマとして,高分子素材の開発に従事してきた。技術供与,工場試作,学会発表,製品発売などの体験を,その時々の気持ちと併せて振り返る。また,若い女性研究者に対し企業研究の道を楽しんで欲しいとエールを送る。
Keywords: Amphiphilic Copolymers / Rheological Properties / Physical Cross-Link Gel / Surface Modification
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環境変化に応答して再構築する高分子と私
Restructuring of Polymer Surface and Myself in Response to the Environmental Change
千秋 和久
Kazuhisa SENSHU
<要旨>環境変化に応答して表面構造が再構築する様子を透過型電子顕微鏡で観察していた当時から,欧州にて医療機器の臨床治験に携わっている現在までを振り返ると,仕事は大きく変化しているものの,常に高分子から付かず離れずだったこと,自分自身もポリマー同様にその時々の変化に応答することができていたことをあらためて実感できた。
Keywords: Polymer Surface / Medical Device / Clinical Trial
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ゲルに魅了されて20 年
My World with Hydrogels
グン 剣萍
Jian Ping GONG
<要旨>ゲルの研究をめぐって,筆者がこの20年間に歩んできた道を振り返ってみた。ゲルの基礎物性研究から,低摩擦ゲルおよび超高強度ダブルネットワークゲルの材料研究,人工軟骨への応用研究,ゲルが織りなす多彩な世界について語る。
Keywords: Hydrogel / Low Friction / Double Network Gel / Toughness/ Artificial Cartilage
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表面プラズモン共鳴励起増強蛍光法との出会いとその展開
Application of the Surface Plasmon Resonance Enhanced Fluorescence Spectroscopy to Fluorescence Imaging
田和 圭子
Keiko TAWA
<要旨>マックスプランク高分子研究所のKnoll研で,表面プラズモン共鳴励起増強蛍光法(SPFS)によるDNA-DNAのキネティクスに関する研究に携わったことをきっかけに,本方法によるバイオ界面の研究に取り組んだ。現在は周期構造基板を利用した格子カップリングSPFSによる高感度蛍光イメージングに展開している。
Keywords: Surface Plasmon Resonance / Fluorescence / Imaging / Biochip / Microscopy / Grating
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科学と道徳―その根底の力は共に想像力―
Science and Morality
畑田 耕一
Koichi HATADA
<要旨>科学も道徳もその根底の力は想像力である。優れた科学者は想像力が豊かなので,適切な判断基準さえもてば,優れた創造性を発揮できるだけでなく,道徳的能力も高い社会の模範になれる人間である。想像力は子供のときに養われ,学校・家庭・地域社会の文化的環境に依存する。個人の道徳的判断基準は人々の幸せを生み出せるものでなければならない。
Keywords: Imaginative Power / Creative Power / Moral Ability / Criterion for Fair Judgment / Positive and Negative Side of Science / Housing Education / Culture and Tradition / Professional Ethics
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パラダイムシフトへの期待
Expectations for Paradigm Shift in Polymer Science and Technology
岡本 佳男
Yoshio OKAMOTO
<要旨>筆者が高分子の研究に興味をもったのは,半世紀ぐらい前のことである。当時,石油化学工業の勃興期であり,大学には高分子学科が設立され,これからは高分子の時代だとの思いで,高分子学科を専攻することにした。その後,一貫して高分子合成,機能性高分子の研究にかかわってきたので,その経験をもとに,今後の高分子研究を展望してみたい。
Keywords: Change in Number of Members / Oil Shock / Enantiomer-Selective Polymerization / Sparteine / Propylene Oxide / Future Prospects of Polymer Science
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