高分子 Vol.64 No.9 |
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特集 超解像蛍光顕微鏡と高分子 |
2014年ノーベル化学賞は「超解像蛍光顕微鏡法の開発」に贈られた。一世紀あまりの間、蛍光顕微鏡を始めとする光学顕微鏡の分解能は光の回折限界で制限されていた。アッベの回折限界は波長の約半分で可視光ならば数100 nm程度である。超解像蛍光顕微鏡はさまざまな手法でこの限界を超えた。超解像顕微鏡には、STROM法あるいはPALM法と呼ばれる単一蛍光分子の高精度位置検出に基づいた手法、STED顕微鏡法と呼ばれるドーナツ状ビームを用いて照明スポットサイズを減少させる手法、さらに構造化照明法などが知られている。超解像技術は生物分野では注目を集めているが、材料化学においてはまだ十分に知られていないのが現状である。本特集ではこれらの原理と、高分子物理、ナノテクノロジー、バイオ研究、幅広い新しいナノイメージングの可能性を紹介することで、高分子の研究において新しい展開につながることを期待している。 Guest Editor:Martin Vacha 浅沼・田井・長谷川・古川 |
Digest for English Readers |
566
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Hot Topics |
570
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素描 |
スーパーマンはノーベル賞を受賞するだろうか | 河田 聡 | 571
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展望 |
PALM用の蛍光タンパク質と生物学での応用 | 水野 秀昭 | 572
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非点収差を用いた高分子の三次元ダイナミックスの評価 | 平田 修造・伊都 将司・ Martin Vacha・宮坂 博 |
575 |
単一分子局在化顕微鏡の高分子鎖のコンホメーション解析への応用 | 青木 裕之 | 578 |
Polyman 画 | 581 |
トピックス |
STED顕微鏡の原理とその応用例 | 堀田 純一 | 582 |
分子吸着を用いた超解像イメージング | 羽渕 聡史 | 584 |
構造化照明法超解像顕微鏡の原理と応用 | 及川 義朗 | 586 |
赤外超解像顕微鏡法 | 酒井 誠・藤井 正明 | 588 |
グローイングポリマー |
受けポジ | 中嶋 琢也 | 590
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先輩からのメッセージ - |
ピカソ | 長谷川 美貴 | 591
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高分子科学最近の進歩 |
高分子ミセルを鋳型とする無機中空ナノ粒子の合成 | 中島 謙一 | 592
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私の本棚から | 西見 大成 / 酒井 崇匡 | 598 |
PolySCHOLA:つくる6限目 |
水分散系でのリビングラジカル重合:その難しさと魅力 | 大久保 政芳 | 599 |
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