高分子 Vol.72 No.8
特集 タンパク質を見る
生体機能を中心的に担う高分子の一つとして、タンパク質は化学のみならず生物学においても重要な研究対象です。タンパク質分子の「形」や「動き」はその「機能」と密接にかかわり、また形が崩れ変性することによる不可逆的な凝集は、疾病の原因になります。古くから、結晶構造解析によってタンパク質の美しい姿(立体構造)が解き明かされ、生命現象の理解と薬の開発などにつながりました。近年では、液液相分離と呼ばれる、タンパク質が流動的に集合した状態が、情報伝達などのさまざまな生命機能にかかわっていることが示されつつあり、タンパク質の「動き」も注目されています。本特集では、近年急速に発展しているタンパク質のラベル化・構造解析さらには運動解析技術を紹介し、そこから明らかにされつつあるタンパク質の新たな姿と機能について特集します。
村岡・上川・竹田・西村(達)

Digest for English Readers
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Hot Topics
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SPSJ PMF Poster Awards 2022

素描
分析機器の進歩とタンパク質の構造・ダイナミクス解析 朝倉 哲郎
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展望
タンパク質の相転移と溶液の相互溶解に基づく液-液相分離現象 野本 晃・白木 賢太郎
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クライオ電子顕微鏡が観たカルシウムポンプの分子描像 稲葉 謙次
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タンパク質標識技術によるイメージング法の進展 上川 拓也・堀 雄一郎
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Polyman 画
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トピックス
常磁性金属を使ったタンパク質の構造変化解析 齋尾 智英
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高速原子間力顕微鏡(HS-AFM)によるチャネルタンパク質とリガンドの結合動態解析 角野 歩
385
中性子散乱によるタンパク質の動きの解析 井上 倫太郎
387
クライオ電子顕微鏡で生体高分子を観る 横山 武司
389

グローイングポリマー
ナノからポリ 伊藤 麻絵
391

先輩からのメッセージ - 仕事しごと 私事しごと
Grateful for In-Person Meetings ランデンベーガー キラ ベス
392

高分子科学最近の進歩
π-スタック型環状オリゴマーと環状分子 森崎 泰弘
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