第25回ポリマー材料フォーラム

第25回ポリマー材料フォーラムポスター賞選考報告

25PMF      
 
運営委員 小林定之
 
平成28年11月10〜11日の2日間、名古屋国際会議場で開催された第25回ポリマー材料フォーラムにおいて、下記の要領で別掲10件の優秀ポスター賞を選出した。
[審査対象]A〜Dの4セッション総計166件ポスターの内、審査希望の132件のポスター発表者を対象とした。
[審査員]各セッション毎に、審査委員と高分子学会フェローからなる7〜11名の審査団を結成して審査した。
[審査基準]@発表内容:新しい材料および技術としての可能性を見出したあるいは予見させる高分子材料および関連技術であるか。Aプレゼンテーション:質疑に対する適切な応答、ディスカッションができているか。Bポスターの論理性・ビジュアル性:発表者がその場にいなくても一見して発表を理解できるような構成、並びに人を引きつける特徴的・魅力的なポスターであるか。
[審査方法]上記基準に基づいて、審査委員が各発表を聴講し、質疑応答を経て厳格に候補者を選考した。選考に当たっては、発表1件につき必ず複数名以上の審査員が一連の評価を実施することで、審査の公平性と低偏差の確保に努めた。 セッション、丸一日を費やして発表を聴取し、発表者との質疑応答の結果を踏まえ点数化し、セッション内で討議後、所定数の優秀賞候補を選考理由を添えて選出した。この結果を持ち寄り、各セッション審査団長4名、PMF運営委員長、副運営委員長からなる優秀ポスター賞選考委員会を最終日のポスター発表終了後に開催して厳正に審議の上、優秀ポスター賞を決定した。
 発表者はよく事前準備を頂いており、要領良く説明頂き、コメンテーターとの質疑応答を含め10分の持ち時間を有効に使っていた。審査団の周囲は常に注目され、それに触発された形で隣接に位置するポスター発表でも活発な説明・質疑応答がなされる等、終始会場全体に活気が溢れた状態であった。また、発表者は自信と熱意を以って日頃の研鑚の成果を紹介して頂き、多くのポスターで、実サンプルの掲示に加え、実演を交えるなど、聴講者に分かり易くする工夫の跡が随所に見られた。
 今回選考されたポスター賞は、企業5件、大学・研究機関5件であり、今回のポリマー材料フォーラムの主題である「基礎から材料へのシームレスな展開」を反映したバランスに落ち着いた。また実用的な観点で材料開発成果を紹介する発表も数多く見られ、残念ながら今回の選には漏れたものの、賞に値する優秀な発表が他にも多くあったことを申し添えておきたい。
 今回のポリマー材料フォーラムでは新たな試みとしてポリマーカレッジと連携した開催としたことで、特に企業やアカデミアでの若手の参加が多かったこともあり、コメンテーターの動きに併せ聴講し技術のポイントを学んでいる姿も数多く見られた。
 最後に、素晴らしい技術情報交換の場を作り上げて戴いた発表者、聴講者の皆様方、セッションによっては多くの審査のため終日立ち仕事の疲労をものともせずに厳正な審査を遂行戴いた審査団員の皆様、円滑な運営にご尽力戴いた事務局・会場担当の方々に心より感謝を申し上げたい。ポリマー材料フォーラムが高分子材料の発展に貢献できる場であることを願いつつ、ポスター賞選考報告とする。  

ポスター賞受賞者

Aセッション:ポリエチレンフィルムを基板とした光電変換色素固定薄膜型人工網膜の実用化に向けた医工連
       携研究

(岡山大院自然)内田 哲也
 
      :基礎解析に基づいた高性能RO膜の開発 
(東レ)倉岡 晃平
 
Bセッション:リチウムイオン挿入可能な金属有機構造体(iMOF)を用いた非対称キャパシタ
(豊田中研)小澤 由佳
 
Cセッション:大環状化合物からなるカラムナー液晶とソフトなナノ空間の構築
(名大院理)河野慎一郎
 
      :タッキファイヤが表面偏析したアクリル系粘着剤の開発
(東亞合成)竹谷 伸幸
 
      :繊維状有機単結晶の機械弾性挙動と発光特性
(防衛大)林 正太郎
 
      :ポリ(ビフェニルイルアセチレン)誘導体のらせん構造制御を基軸とする光学分割材料の開発
(名大院工・金沢大院自然)石立 涼馬
 
Dセッション:分子量分布の異なる超高分子量ポリエチレンの溶融二軸延伸膜の特異な結晶配向
(群馬大院理工)上野 雅彦
 
      :高溶融張力ポリプロピレン「WAYMAX?」の成形性に関する検討
(日本ポリプロ)梅森 昌樹
 
      :新規エラストマー「シクロペンテンゴム」の開発
(日本ゼオン)奥野 晋吾
 

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