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第24回ポリマー材料フォーラム開催報告
24PMF
運営委員長 桑原広明
平成27年度ポリマー材料フォーラム(24PMF)がタワーホール船堀(東京)を会場として、11月26、27日の両日開催されました。船堀での開催は14PMF(平成17年)から隔年で行われており、今回で6回目になります。産業構造の転換が大きく進む昨今、素材技術の革命がその一翼を担うと期待されますが、実用化に必要な先端技術開発を支える基盤である高分子をプラットフォームとした幅広い材料技術融合に向けて、産学官連携での技術交流の場としてPMFが果たす役割は益々大きくなっております。 本年度は、昨年同様に4つのセッションにて135件のポスター発表と32件の招待講演を行いました。当初、ポスター発表申し込み数が例年対比で少なく、参加者の減少が心配されましたが、お陰様で176名の当日登録を加えて、参加者総数は639名と、盛況な中で無事終了致しました。テーマの企画設定・プログラム編纂から当日のコメンテーター、ポスター賞審査に至るまで、運営委員およびフェローの先生方には大変なご尽力を賜りました。また、学会事務局には会場準備から当日の運営まで円滑で心強い対応を頂きました。さらに、明快で解りやすい講演・発表をして頂いた諸先生、ポスター発表者、および活発なディスカッションをして頂いた参加者、そして、展示にて会を盛り上げて頂いたスポンサーの皆様方に心より厚くお礼申し上げます。 ポスター会場では、Aセッション「環境・ライフサイエンス材料」32件、Bセッション「電気・光・情報・エネルギー」27件、Cセッション「高性能・高機能材料」42件、Dセッション「ポリマー材料の設計・合成・加工・解析」34件の計135件の発表が、企業、大学、国立研究開発法人からバランス良く発表され、活発な交流が行われました。以上の発表の中から、コメンテーター、担当運営委員、及びフェローの先生方による厳正な審査の結果、Cセッションから3件、A,BおよびDセッションから各2件と、合計9件の優秀ポスター賞が選出されました。選考に当たっては、発表内容に加えて、@プレゼンテーション、Aポスターの論理性、およびBビジュアル性(わかりやすさ)も加味して評価されました。今回のPMFポスター賞受賞者は「高分子」2016年2月号にて発表されるほか、来年の高分子学会年次大会(総会)にて会長より表彰され、楯が授与されます。 受賞された各ポスターを改めて見ると、基盤技術に新たな視点からのアプローチを融合することによる、ものづくりにおける新機能や価値創出の重要性が再認識されました。 各講演会場では、発表後には活発にディスカッションが興りました。各テーマを通じて、発表者の「チャレンジングな課題に向き合う姿勢」、「ブレークスルーに辿り着くための展開」等を理解すると共に、深淵なるポリマー材料の研究開発の苦しさと楽しさ、そして奥深さを実感しました。初日の夕方には、恒例のミキサーに多くの参加者が集い、諸所でディスカッションの輪ができると共に、渡邉副会長、秋元高分子学会フェローからの挨拶を含め、大いに盛り上がりました。 暦年のPMFを振り返ると、高分子学会会員の実に過半数を占める企業研究・技術者への会員貢献の一環として、分野横断的に様々な領域への応用可能性を幅広く取上げると共に、素材の進化形がどのようにデザインされ、開発されるべきかを発表、議論する大切な主催行事の一つとして活用され、発展・定着して参りました。今回、ポスター会場内の展示スペースをご利用いただいたある企業のご担当者から、「初めて本フォーラムで展示ブースを設置したが、是非次回も出展を検討したい」とのお声を頂戴しました。フォーラムを催す側としてこれ以上にない喜びであると共に、フォーラムに参加いただく方々のご期待に沿えるよう、更なる改善の道を探りながら、時代と会員の要望にお応えできるPMFであり続けたいものだとの思いを改めて強くしました。 来年度は東海支部の担当による名古屋での開催となります。今後ともPMFを材料発表に関する有用な場として活用いただければ幸甚です。皆様のご参加とご協力をお願い申し上げます。
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