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第24回ポリマー材料フォーラムポスター賞選考報告
24PMF
運営委員 安田知一
平成27年11月26〜27日の2日間、タワーホール船堀で開催された第24回ポリマー材料フォーラムにおいて、下記の要領で別掲9件の優秀ポスター賞を選出した。 [審査対象]A〜Dの4セッション総計135件ポスターの内、審査希望の100件のポスター発表者を対象とした。 [審査員]各セッション毎に、審査委員と高分子学会フェローからなる6〜10名の審査団を結成して審査した。 [審査基準]@発表内容:新しい材料および技術としての可能性を見出したあるいは予見させる高分子材料および関連技術であるか。Aプレゼンテーション:質疑に対する適切な応答、ディスカッションができているか。Bポスターの論理性・ビジュアル性:発表者がその場にいなくても一見して発表を理解できるような構成、並びに人を引きつける特徴的・魅力的なポスターであるか。 [審査方法]上記基準に基づいて、審査委員が各発表を聴講し、質疑応答を経て厳格に候補者を選考した。選考に当たっては、発表1件につき必ず複数名以上の審査員の目で評価し、審査の公平性と低偏差の確保に努めた。 [審査経緯]各セッション、丸一日を費やして発表を聴取し、発表者との質疑応答の手応えを加味しながら所定数の優秀賞候補を選考理由を添えて選出した。この結果を持ち寄り、各セッション審査団長4名、PMF運営委員長、副運営委員長からなる優秀ポスター賞選考委員会を最終日のポスター発表終了後に開催して厳正に審議の上、優秀ポスター賞を決定した。 今回、ポスター発表会場は、掲示や通路の幅を広めに取った造りであったが、以外でも常に多くの発表者と聴講者がそれぞれのポスター前に集まりを形成して発表と議論を成しており、終始会場全体に活気が溢れた状態であった。また、発表者は自信と熱意を以って日頃の研鑚の成果を紹介して頂き、多くのポスターで、入念な準備や実サンプルの掲示などで、聴講者に分かり易くする工夫の跡が見られた。 今回選考されたポスター賞は、企業5件、大学・研究機関4件と企業が多めの結果となった。ポリマー材料フォーラムの運営趣旨のひとつである「企業の材料技術発表の場」が浸透して来た結果と考えると非常に喜ばしい。 また、賞外となった発表に、企業のみならず大学・研究機関からも、実用的な観点で材料開発成果を紹介する発表が数多く見られたことから、高分子材料分野におけるポリマー材料フォーラムの位置づけが固まってきたことを実感した。 さらに、コメンテーション時間を設けて、ポスター発表を聴講することで、一定程度の研究者・開発者が集中的に直に技術情報交換や交流を持つことで、材料技術への理解を深め、自身の課題解決のヒントを多角的に実感できることが本会の最大の特徴であり、今回もしっかりと機能していることを感じた。 最後に、素晴らしい技術情報交換の場を作り上げて戴いた発表者、聴講者の皆様方、終日立ち仕事の疲労をものともせずに厳正な審査を遂行戴いた審査団員の皆様、円滑な運営にご尽力戴いた事務局・会場担当の方々に心より子感謝を申し上げたい。 高分子材料技術がこの先も変わらず日本国内外の緒産業を支える役割を果たすことは疑いない。その中で、ポリマー材料フォーラムとそのポスターセッションが、高分子材料分野の技術情報交流の場として有意に機能してくれること、優秀ポスター賞が当該分野の研究者・技術者にとって、ひとつの目標となる様に育ってくれることを願って、選考報告としたい。
ポスター賞受賞者
Aセッション:r-PGA, r-PGA-PAE 及びナノ粒子の分析法の開発
(武田薬品)池田 眞弓
:メラニン顆粒から着想して作製したコア-シェル粒子を用いる多彩な発色の構造色材料
(千葉大院工)桑折 道済
Bセッション:コイル状ポリマー繊維アクチュエータの高伸縮性とポリマー鎖のモルフォロジー
(パナソニック)平岡 牧
:導電性高分子PEDOT:PSSからなる自己支持性ナノ薄膜の構築と皮膚表面電極としての応用
(早大院先進理工)山岸 健人
Cセッション:新規脂環式ジイソシアナートFORTIMOR1,4-H6XDI およびそれを用いたポリウレタンエラストマー
(三井化学)山崎 聡
:ルイス酸添加に基づくポリメタクリル酸メチル(PMMA)ブラシの立体規則性制御とその構造・物性評
価
(九大院工)平井 智康
:耐熱性・耐光性に優れた新規低粘度エポキシ樹脂の開発
(日産化学)諏訪 剛史
Dセッション:高反射率・高耐久性を有するトランスファー成形材料の開発
(パナソニック)竹内 千尋
:急速凍結過程を用いた高分子メソ多孔化法
(物材機構)佐光 貞樹