第26回ポリマー材料フォーラム

第26回ポリマー材料フォーラムポスター賞選考報告

26PMF      
 
運営委員 妹尾政宣
 
平成29年11月16、17日の2日間、大阪国際交流センターにて第26回ポリマー材料フォーラムが開催され、総勢620人が集った。本年度は主題を「高分子 次世代につなぐ技術イノベーション」と題し、特別講演1件および4つのセッションで招待講演32件、ポスター発表171件が執り行われた。 本フォーラムにおいて、優秀な発表を下記の要領で選考し、別掲9件のポスター賞受賞者を決定した。
[審査対象]A〜Dの4セッションにおいて、審査希望の116件のポスター発表者を対象とした。
[審査員]各セッション毎に、審査委員と知識と経験が豊富な高分子学会フェローからなる6〜8名の審査団を結成して審査した。
[審査基準]@発表内容:新しい材料および技術としての可能性を見出したあるいは予見させる高分子材料および関連技術であるか。Aプレゼンテーション:質疑に対する適切な応答、ディスカッションができているか。Bポスターの論理性・ビジュアル性:発表者がその場にいなくても一見して発表を理解できるような構成、並びに人を引きつける特徴的・魅力的なポスターであるか。
[審査方法]上記基準に基づいて、審査委員が各発表を聴講し、質疑応答を経て厳格に候補者を選考した。選考に当たっては、発表1件につき必ず複数名以上の審査員が一連の評価を実施することで、審査の公平性と低偏差の確保に努めた。
[審査経緯]各セッション、丸一日を費やして発表を聴取し、発表者との質疑応答の結果を踏まえ各項目に対して点数化し、セッション内で討議後、所定数の優秀賞候補を選考理由を添えて選出した。この結果を持ち寄り、各セッション審査団長4名、PMF運営委員長、副運営委員長からなる優秀ポスター賞選考委員会を最終日のポスター発表終了後に開催して厳正に審議の上、優秀ポスター賞を決定した。
 今回のポスター発表会場は大広場とそれに面したやや小さめの会場の2ヶ所で行なわれたが、こちらの心配をよそに両会場とも終始活気が溢れた状態であった。また、発表者は自信と熱意を以って日頃の研鑚の成果を紹介して頂き、多くのポスターで入念な準備や実サンプルの掲示など聴講者に分かり易くする工夫の跡が見られた。
 今回選考されたポスター賞は、企業6件、大学・研究機関3件と企業が多めの結果となった。しかしながら、惜しくも選考にもれた次点者に大学・研究機関からの発表も多く、発表者の所属に差は殆ど見られなかった。一方、審査員を驚かせたのは発表の質の高さで、現状の課題とその社会での位置づけ、方法や成果のオリジナリティー、そして今後研究をどのように進めていくのかを的確に表現し、聴講者を魅了させる発表が多かったことは高分子の未来に対して心強く感じる次第であった。
 今回のポリマー材料フォーラムでは昨年に引き続きポリマーカレッジと連携して開催したことで、企業やアカデミアでの若手の参加が多く、審査団が移動した後も熱心に質問している姿が多く見られた。
 最後に、素晴らしい技術情報交換の場を作り上げて戴いた発表者、聴講者の皆様方、セッションによっては多くの審査のため終日立ち仕事の疲労をものともせずに厳正な審査を遂行戴いた審査団員の皆様、円滑な運営にご尽力戴いた事務局・会場担当の方々に心より感謝を申し上げたい。ポリマー材料フォーラムが今後益々高分子材料の発展に貢献できるイノベーションの場になることを願いつつ、ポスター賞選考報告とする。  

ポスター賞受賞者

Aセッション:医療用具用ゲル素材の構造と機能に与える重合方法の影響

(メニコン・名工大院工)伊藤 惠利
 
      :W/O界面における糖レクチン複合体架橋を用いたグルコース応答性ゲルカプセルの創製 
(関西大化学生命工)田中 康太
 
Bセッション:静電配向技術による塗布型熱伝導性フィルム
(東レ)岩谷 忠彦
 
Cセッション:エポキシ硬化剤として機能するポリアリレート樹脂
(ユニチカ)村上 隆俊
 
      :高純度PPGを用いたポリウレタンの特性
(東ソー)清水 義久
 
      :イオン性ポリマーブラシ付与複合微粒子の有機溶媒中における秩序構造形成
(京大化研)久富 達也
 
Dセッション:新規フレキシブルデバイス用ハードコートフィルムの創製
(リンテック)七島  祐
 
      :種々の側鎖長を有するフルオロアクリレートポリマー処理生地におけるIR分光分析
(ダイキン)福本可奈子
 
      :熱潜在性を有する還元剤の開発とポリペルオキシドの分解促進への応用
(阪市大院工)大森 千聡
 

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