第27回ポリマー材料フォーラム

第27回ポリマー材料フォーラムポスター賞選考報告

27PMF      
 
運営委員 眞田 隆
 
平成30年11月21、22日の2日間、タワーホール船堀で開催された第27回ポリマー材料フォーラムにおいて、下記の要領で別掲15 件の優秀ポスター賞を選出した。
[審査対象]A 〜 Dの4セッション総計181件のポスターのうち、審査希望の132 件のポスター発表者を対象とした。
[審査員]各セッションごとに、運営委員などから構成された審査委員と高分子学会フェローからなる7〜11名の審査団を結成して審査した。
[審査基準]@発表内容:新しい材料および技術としての可能性を見いだしたあるいは予見させる高分子材料および関連技術であるか。Aプレゼンテーション:質疑に対する適切な応答、ディスカッションができているか。Bポスターの論理性・ビジュアル性:発表者がその場にいなくても一見して発表を理解できるような構成、ならびに人を引きつける特徴的・魅力的なポスターであるか。
[審査方法]上記基準に基づいて、審査委員が各発表を聴講し、質疑応答を経て厳格に候補者を選考した。選考に当たっては、発表1件につき必ず3〜4名以上の審査員が一連の評価を実施することで、審査の公平性と低偏差の確保に努めた。
[審査経緯]]各セッション、丸一日を費やして発表を聴取し、発表者との質疑応答の結果を踏まえ点数化し、セッション内で討議後、所定数の優秀賞候補と選考理由を添えて選出した。この結果を持ち寄り、ポスター賞の審査団長、各セッション審査団長4名、PMF運営委員長、からなる優秀ポスター賞選考委員会を最終日のポスター発表終了後に開催して厳正に審議のうえ、優秀ポスター賞を決定した。
 今回も発表者の十分な事前準備がなされており、プレゼンテーションタイム(コメンテーター訪問時間含む)以外でも常に多くの聴講者がそれぞれのポスター前に集まり、発表と議論をなしており、終始会場全体に活気が溢れた状態であり、審査団の審査にも自然と熱が入るものであった。初日のポスター発表の一つの会場では、新企画として「大学研究室紹介ブース」「キャリアブース−企業のR&D ってなんだろう?−」「第67回高分子学会年次大会ポスター賞受賞招待発表」が併設されたこともあり、より多くの人が集まり、議論に拍車がかかり、それが会場全体、今回のポリマー材料フォーラム全体に波及していったように思われる。
 新しい材料の提案、機構の解明などなど今後の産業界にとっても有意義な発表とそれについての多くの議論がなされ、まさに今回のポリマー材料フォーラムの主題である「オールジャパンでポリマー材料を語り合おう!」を反映したポスターの発表会となった。
 このような状況下ではあるが、審査団は厳正なる審査を行った。この結果、選考されたポスター賞は、企業7件、大学7件、研究機関1件の計15件と過去最多であった。
 審査希望されなかった発表や今回残念ながら僅差で選に漏れた発表にも、いろいろな視点での材料開発の提案がなされ、興味深い内容で、賞に値するような発表が数多くあった。
 今回のポリマー材料フォーラムでは招待講演で他学会・協会とコラボで、高分子学会から外へと視点を広げたり、企業の最先端の材料開発の発表(ポスター発表)と大学の研究室紹介、そしてこれからの日本の産業を支えていく学生に向けた企業からのキャリアプランを考えるためのメッセージなどの各面からの相乗効果で盛り上がりを見せた。
 最後に、素晴らしい技術情報交換の場を作り上げていただいた発表者、聴講者の皆様方の成果であり、真摯に多くの審査にあたっていただいた審査団員の皆様、円滑な運営にご尽力いただいた事務局・会場担当の方々に心より感謝を申し上げたい。今後もさらにポリマー材料フォーラムが高分子材料の発展に貢献できる場であることを願いつつ、ポスター賞選考報告とする。  

ポスター賞受賞者

Aセッション:新規イミダゾリウム系カチオン性ラジカル重合開始剤による細胞内移行性のある無毒性蛍光ナノゲル温度計の開発
(キリン)辻  俊一
 
      :新規イミダゾリウム系カチオン性ラジカル重合開始剤による機能性ポリマーの創出 
(キリン)小泉 英樹
 
      :RGB カラー粒子の創製とその診断システムへの展開 
(関西大化学生命工)菅原 淳弘
 
      :DNAアプタマーの抗凝固能と中和制御 
(東大院総文化)吉本敬太郎
 
Bセッション:溶剤可溶型低誘電・高接着ポリイミド樹脂を用いた低伝送損失基板
(荒川化学)田ア 崇司
 
      :ポリドーパミン−鉄コンポジット膜の作製と焼成による触媒電極への応用 
(東北大院環境)野崎 浩平
 
Cセッション:イオン液体を用いた層間剥離による2 次元ナノ物質の高収率合成と高熱伝導ポリマーナノコンポジットへの応用
(豊田中研)森下 卓也
 
      :吸湿現象を利用したリオトロピック液晶の新展開
(名大院工)原  光生
 
      :樹脂に対するナノダイヤモンドの熱安定化効果
(ダイセル)久米 篤史
 
      :ゾル−ゲル法を利用した原子移動ラジカル重合法用開始層の簡易成膜法の開発:ポリマーブラシの大面積合成を目指して
(産総研)佐藤 知哉
 
      :次世代クロマト分離のための新規モノリス粒子充填剤の開発
(京大化研)榊原 圭太
 
Dセッション:精密交互ラジカル共重合:交互配列に基づく集合構造制御と機能創出
(京大院工)西森 加奈
 
      :UV-LED 光源対応 光塩基発生剤の開発
(ADEKA)大槻 竜也
 
      :汎用プラスチックシート表面の革新的酸化法による金属との異種材料接着
(阪大院工)淺原 時泰
 
      :セラミックコンデンサ製造用導電ペーストに用いられるアクリルポリマーの開発
(日油)田中 将啓
 

このページのトップへ

MENU

過去開催行事

問合せ先

〒104-0042

東京都中央区入船3-10-9
新富町ビル6階

公益社団法人 高分子学会
第27回ポリマー材料フォーラム係

TEL: 03-5540-3770, -3771 FAX:03-5540-3737

e-mail: 27pmf@spsj.or.jp  "@"を"@"におきかえてください。