開催報告
28PMF
運営委員長 河合道弘
第28回ポリマー材料フォーラムがウィンク愛知で、11月21、22日の2日間にわたって開催されました。名古屋での開催は2016年の第25回PMF以来となりますが、例年用いてきた名古屋国際会議場ではなく、今回は名古屋駅近くにあるウィンク愛知を会場としました。名古屋駅から徒歩3分であることから交通の便は極めてよく、周囲には飲食店も多いのでフォーラム後に参加者の皆さんが交流を深めるのにも都合がよく、また会場のコンパクトさも材料フォーラムの規模にはちょうど良かったと考えています。
さて、今回の材料フォーラムは「ポリマー材料 半端ないって!」を主題としました。これは、2018年のサッカーワールドカップの流行語からもじったものですが、日常製品から最先端分野の製品まで幅広く用いられているポリマー材料が種々多様な要求性能に応えている様は、まさに半端ない!と思えるからです。このような半端ないポリマー材料について本フォーラムを通して産官学の研究者/技術者に大いに議論していただきたいという思いで主題とした次第です。
本年度も、例年と同様に4つのセッションに分かれて実施しました。ポスター会場では、Aセッション「ライフサイエンス・環境材料」32件、Bセッション「電気・光・情報・エネルギー関連材料」39件、Cセッション「高性能・高機能材料」71件、Dセッション「ポリマー材料の設計・合成・加工・解析」54件の合計196件のポスター発表が行われました。また、講演会場では各セッション8件ずつ、計32件の招待講演が実施されました。企業、大学、研究機関からバランス良く発表され、各ポスター・各招待講演で活発な質疑が交わされました。そして、ポスター発表の中から厳正な審査の結果、合計15件の優秀ポスター賞が選出されました。今回のPMFポスター賞受賞者は「高分子」2020年2月号にて発表されるほか、次回の高分子学会年次大会にて高分子学会長より表彰され、楯が授与されます。審査の詳細については審査委員長からの報告をご参照いただきたいですが、受賞された発表を改めて眺めて見ると、15件中9件が企業による受賞で全て応用開発に関するものになっており、材料フォーラムの特徴がよく表れていると感じました。一方で、数多くの発表を審査していただいた審査員の方々には、かなりの負担を強いることになりました。そのような状況の中でも厳正な審査を粛々と進めていただいたこと、改めて感謝申し上げます。
以上の通常の発表に加えて、昨年のポリマー材料フォーラムで大変好評であった特別企画も実施しました。1日目の21日には企業がどんな研究開発をしているかを紹介する学生向けのキャリアブース11件、大学研究室の研究内容を紹介する研究室紹介ブース20件、年次大会ポスター賞受賞者のポスター30件の発表を行いました。2日目の22日には、ランチョンセミナーとしてセルロースナノファイバーを自動車材料に用いるNCV (Nano Cellulose Vehicle)プロジェクトについて、6件の講演が行われました。これらのどの企画においても大変盛況であり、本フォーラムを大いに盛り上げていただきました。
21日の夕方からはイブニングフォーラムと題した参加者間の懇親のためのミキサーを開催しました。会場には特別企画のキャリアブース、研究室紹介ブース、年次大会受賞ポスターを併営して行ったこともあり、320名にもなる多くの参加者を集め、高分子材料を肴に懇親を深めることできました。
本フォーラムの最終的な参加者数は合計747名にのぼり、昨年の関東開催の参加者数には及びませんが、前回2016年の東海開催時と比べると150名ほど多く、実に中身の濃い2日間を盛況な中で無事終えることができました。これにつきましては運営委員およびフェローの先生方には、テーマ設定やプログラム作成から当日のコメンテーター、ポスター賞審査まで大変なご尽力を賜りました。また、学会事務局の方には会場準備から当日の運営まで円滑で心強い対応を頂きました。さらに、明快で解りやすい講演・発表をして頂いた諸先生、ポスター発表者、研究室紹介者、企業ブースの説明者、年次大会ポスター受賞者の方々および活発なディスカッションをして頂いた参加者、機器展示にて会を盛り上げて頂いたスポンサー等、本材料フォーラムをサポートしていただいた全ての皆様方に心より厚くお礼申し上げます。
来年度は関東支部の担当による開催となります。今後ともこのポリマー材料フォーラムを産官学のポリマー材料に関する交流の場として活用いただければ幸甚です。皆様のご参加とご協力を引き続き宜しくお願い申し上げます。
講演会場「5F小ホール2」 | イブニングフォーラム会場「7F展示場」 |