60th Summer College The Society of Polymer Science, Japan

第60回高分子夏季大学プログラム

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総合講演 4件
8日14:00-18:00

   
14:00-15:00 総合講演1:超薄膜化、強靭化しなやかタフポリマーの実現
東京大学大学院新領域創成科学研究科 伊藤 耕三

燃料電池やLi電池の飛躍的な出力向上と小型化、車体構造の劇的な軽量化と信頼性の向上を通じて省エネ・高安全性自動車を実現するために、内閣府・革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)として「超薄膜化・強靭化「しなやかなタフポリマー」の実現」が採択された。本プログラムの概要と目標を紹介する。
15:10-16:10 総合講演2:高分子ナノテクノロジーを基にした高分子メガテクノロジーへの展開−産学連携の勧め 
東京工業大学 西 敏夫

高分子ナノテクノロジーの開拓とそれを基盤にした産学連携研究による超低燃費タイヤ用ゴム材料や、高性能免震ゴム開発等のメガテクノロジーへどう展開してきたか講演する。 同時に今後の産学連携に関して述べる。
16:20-17:20 総合講演3:化学企業における触媒の研究開発 
三井化学株式会社 藤田 照典

化学企業における触媒の研究開発について、オレフィン重合触媒を例として開発の考え方や応用展開について紹介します。
17:30-18:00 総合講演4:震災を乗り越え、酒造りの伝統を未来に伝える日本酒    
吉乃川株式会社 高橋 方夫

10年前に発生した中越地震で被災した多くの蔵が、1件も廃業することなく事業を継続出来た。復興までの経緯と日本酒業界の現状、おいしい味わい方を酒造りの工程を紹介しながらお話したい。
18:10-20:00 ミキサー(交流会)

分科会講演 全27講演
9日(18講演) 9:00-11:50、13:00-15:50

       
会場 A会場 B会場 C会場
分科会 入門・基礎「合成」 フォトニクス材料から始まるイノベーション バイオミメティクス
9:00-9:50 A-1:松本章一(大阪府大)
ラジカル重合の基礎と最前線
ラジカル重合の基礎科学と先端技術について、関連分野の研究背景や発展の歴史、最新のトピックスや未解決問題、最先端の応用技術や今後の動向などを紹介します。
B-1:多加谷明広(慶應義塾大)
フォトニクスポリマーと液晶ディスプレイ
ポリマーの複屈折に着目した研究により、ゼロ・ゼロ複屈折ポリマー、ゼロ複屈折粘着剤、超複屈折フィルムが誕生した。これらの最新動向と液晶ディスプレイへの応用について紹介する。
C-1:下村政嗣(千歳科学技術大)
バイオミメティクスと高分子
ナイロンやマジックテープのように生物を模倣した材料開発の考え方は古くからある。今世紀になりヨーロッパを中心にバイオミメティクスの国際標準化の動きがはじまり、新たな展開をもたらしている。バイオミメティクスの現代的意義と材料開発の動向を述べる。
10:00-10:50 A-2:塩野 毅(広島大)
配位重合の基礎と最前線
オレフィンや共役ジエンなどの単純なモノマーから高性能・高機能高分子を創製するための鍵技術として重要な配位重合について、基礎から最近のトピックスまで紹介する。
B-2:VACHA Martin(東工大)
単一分子分光法 -有機材料のナノ世界を知る窓-
近年、ナノスケールにおける物性解析のための新手法として、単一分子分光法が着目されている。本講演では、共役系高分子の光物理および電界発光、ガラス転移温度付近での高分子の分子運動、自然および人工の光捕集システムの構造と光物性の研究について紹介する。
C-2:針山孝彦(浜松医科大)
ナノスーツが拓く構造観察の世界
本報告は、高真空環境を必要とする電子顕微鏡内で生きたままの状態の生体に高分子を重合したナノ薄膜を付与することでガスや液体のバリアーとして機能させる事で生命維持し、超微細構造の観察を簡便に実施できるようにしたものである。我が国発の独創的な技術であり、バイオミメティクス研究をはじめとした広い分野での使用が見込まれる。
11:00-11:50 A-3:冨田育義(東工大)
高分子反応の基礎と最前線
高分子合成の分野における高分子反応の合成化学的な位置づけを行い、また主鎖組み替えを伴う演者らの研究結果の紹介を交えつつ、高分子反応の将来展望を述べる。
B-3:尾坂格(理化学研究所)
半導体ポリマーで挑む“塗って作る”太陽電池の開発
近年、“塗って作る”有機薄膜太陽電池の開発研究が活発に行われている。本講演では、その主役となる半導体ポリマーの開発について紹介する。太陽電池の高効率化に向け、ビルディングユニットの探索を含めた分子設計やポリマーの配向制御、太陽電池の作製・特性について議論する。
C-3:椿 玲未(海洋研究開発機構)
海綿動物に学ぶバイオミメティクスの可能性
海綿動物は、体内に張り巡らされた網の目のような水路を使って、水の中に含まれる微細な有機物を濾しとって食べる固着性の動物です。本講演では、海綿動物が持つ優れた機能や生活様式を紹介し、バイオミメティック応用の可能性について議論する。
分科会 入門・基礎「物性」 革新的高分子複合材料 ナノメディシンの新展開
13:00-13:50 A-4:野崎京子(東京大)
官能基化ポリオレフィン:合成とその目指すところ
ポリエチレンに代表されるポリオレフィンは最も汎用性の高い高分子材料であると言っても過言ではないが、その組成ゆえの弱点もある。本講では、ポリオレフィンに官能基を導入することの意義とその手法について概観する。
B-4:佐藤千明(東工大)
自動車構造用材料の多様化と接着接合技術
近年の自動車軽量化の流れに伴い、自動車構造用材料の多様化が進んでいる。従来のスチールのみならず、アルミ合金やプラスチック、また繊維強化複合材料の適用が進んでいる。これら異種材料を用いてマルチマテリアル車体を実現するためには接合技術が重要であり、その中でも接着接合が期待されている。本講演では、接着接合技術を取り巻く現状について最近のトピックスを含めて解説する。
C-4:石原 一彦(東京大)
バイオメディカルポリマーの設計法と実用化
生体親和型ポリマーバイオマテリアルを設計・工業的規模で創製し、世界的に利用されるに至ったプロセスについて解説するとともに、我が国で実用化した医療デバイスの具体例を紹介する。
14:00-14:50 A-5:八島栄次(名古屋大)
らせん高分子を用いたキラル材料の開発
本講演では、プラスチックを含む多くの高分子へのらせん誘起と記憶効果、キラル分離材料や高分子不斉触媒への応用、原子間力顕微鏡(AFM)を用いたらせん構造の直接観察、一方向巻きの二重らせん分子・超分子・高分子の合成と不斉触媒への展開などを中心に紹介する。
B-5:影山裕史(金沢工大)
自動車と高分子
限りない潜在性から車材料としてなくてはならない存在となった高分子は、益々その応用価値を構造、機能面で広げつつある。ここでは、最近注目されている炭素繊維強化樹脂を中心に紹介し、高分子に対する期待や課題をもとに、将来の車材料の方向性について議論したい。
C-5:馬場嘉信(名古屋大)
ナノバイオ計測の最前線
ナノバイオデバイスの開発が、単一分子・細胞計測などバイオ計測にパラダイムシフトを起こしています。本講演では、ナノワイヤ・ナノポアがん超早期診断・治療、ナノ量子材料iPS細胞再生医療など、ナノバイオ計測の基礎から実用化に向けた研究動向についてわかりやすく解説します。
15:00-15:50 A-6:増渕雄一(名古屋大)
ゼロからのレオロジー
レオロジーは高分子をはじめとするソフトマターの分野で学術的・工業的に重要です。しかし難しいイメージにより敬遠されていませんか。本講演では、初学者の方にレオロジーの“さわり”をご紹介し、本格的な教科書に取り組んでいただく手がかりをお示しします。
B-6:西野 孝(神戸大)
軽量・高強度を実現する革新的構造材料としての高分子複合材料
金属が使われる構造材料を高分子複合材料で代替すると共に、新たな機能、革新的な特長を見出すことを目指しています。そのための特許調査結果を含めた動向分析、トピックスを紹介したいと思います。
C-6:菊池 寛(エーザイ)
ドラッグデリバリーシステムの最前線
主薬理効果とともに毒性も併せもつ薬物の体内動態を制御して、その効果を最大限に発揮させるDDS(ドラッグデリバリーシステム)技術は、今では創薬の重要なツールの一つになっている。本講演では、主に注射剤DDS医薬品の最新動向と課題、更には今後の展望について概説する。
16:00-17:30 講師を囲んでの質問の会
17:40-19:30 懇親会

10日(9講演)9:00-11:50

 
会場 A会場 B会場 C会場
分科会 入門・基礎「解析」 プリンテッドエレクトロニクス 新潟発産業資源
9:00-9:50 A-7:櫻井和朗(北九州大)
溶液中のナノ構造体の構造解析と可視化
水溶液中に分散した超分子構造体や高分子ミセルの精密な構造解析は、これらの材料を応用する分野では不可欠である。最近身近になった流動場分画法 や、光散乱や放射光X線小角散乱を用いて構造決定をするとともに、計算科学とあわせた構造体の可視化への試みを紹介する。
B-7:時任静士(山形大)
健康長寿を目指したスマート有機バイオセンサの研究開発
有機FET技術を活用することで、体調や病気の予兆に関連する生体物質を高感度に検出するウエアラブルバイオセンサの研究に取り組んでいる。本講演では、抗体、グルコース、タンパク質など様々な生体マーカーを計測する革新的な技術について紹介する。
C-7:明歩谷英樹(新潟県庁)
新潟県染織試験場から素材応用技術支援センターまで −その百年支援について
新潟県では古くから地場産業である繊維産業が盛んで、それに伴い染め織り試験場が整備され昨年100年の節目を迎えました。企業と共に歩んできたその百年の歴史の一端をご紹介いたします。
10:00-10:50 A-8:安藤慎治(東工大)
光・熱・電子機能性ポリマー開発のための新しい分光法とその応用
光・電子・熱機能性ポリマー材料開発のための新しい分光学的手法として、演者の研究室で開発を行っている下記のようなトピックについて解説いたします。
B-8:能木雅也(大阪大)
紙は何色?どうやって使う?
セルロースナノファイバーとは幅4-15nmのとても微細な繊維であり、すべての植物に含まれる無尽蔵な天然資源です。このナノファイバーを使って、2008年、私達は世界で初めて「透明な紙」をつくることに成功しました。現在は、新たなセルロースナノファイバー材料の開発、透明な紙を用いた電子機器:ペーパーエレクトロニクスの研究を行っています。
C-8:藤井信彦(電気化学工業)
新潟県産石灰石からできるゴム -クロロプレンゴム(CR)の開発と発展ものがたり-
1962年、石灰石を原料に生産を開始したCRは、耐候性・耐熱性・耐油性等の特性を持つバランスのとれた特殊ゴムとして、工業用品、接着剤、浸漬製品など広範な用途に使用されている。年産2,400dから50年を経て世界最大の能力10万dを有するに至った開発の歩みと苦労を紹介する。
11:00-11:50 A-9:小椎尾謙(九大先導研)
放射光X線を用いた高分子材料の構造解析
放射光X線を用いると、様々な外部刺激印加下における高分子材料や薄膜のその場構造解析を行うことが可能となる。本講演では、プラスチックやエラストマー材料に力学変形を加えた際の構造変化などを放射光X線を利用して評価した例とともに、薄膜内の構造解析例を紹介する。
B-9:岡本敏宏(東大新領域)
屈曲型パイ電子コアに基づく実用向け有機半導体材料の開発
講演者が最近開発した「屈曲型パイ電子コア」は、次世代電子デバイスとして期待されるプリンテッドエレクトロニクスの根幹を成すべき半導体材料の要件を兼ね備えた革新的な有機半導体分子群である.本講演では,講演者が取り組んできた化学およびデバイス工学的な分野横断型アプローチについて紹介する。
C-9:岡元 松男(きものブレイン) 
縮小するきもの市場で 新しい需要を創造し成長する
業界で初めてきもののアフターケアを事業化した。消費者の立場で商品企画開発を行い水で洗える絹のきものを信州大学と共同開発をし、新しい市場を創造した。また毎年新卒を採用し技術の継承にも力を入れる。

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