高分子科学史年表(1941-1942)

高分子科学史年表(1941-1942)

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西暦

日本

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科学技術一般

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西暦

科学

技術

科学

技術

1941

・神原 周(東京工大),間宮保三(日東紡):ポリアクリロニトリル無機塩水溶液から湿式紡糸による繊維化成功,“シンセン”と命名

・ブリヂストンタイヤ(株):クロロプレンゴムの乳化重合の開発に成功,日産50kgのパイロットプラントより「BSゴム」を生産

(米)K.S. Cole, R.H. Cole:高分子の緩和スペクトルの形:ColeCole plot

(米)米政府の Rubber Reserve 社合成ゴムプラント(GR・S)の建設を要請

(英)レーダーを実用化

・日ソ中立条約調印

1941

・大島敬治(大阪市立工研);鶴田四郎((株)日立製作所):フェノール樹脂の研究

・ブリヂストンタイヤ(株):朝鮮に朝鮮タイヤ,台湾に台湾ゴムを設立

(米)H. Leaderman:粘弾性における時間温度換算則

(米)Plax社:36-in シート押出機で最初の二軸延伸フィルム製造

・独,ソ連に宣戦

・櫻田一郎:Staudingerの粘度式を拡張した実験式を提出(のちにMarkHouwinkSakurada粘度式と呼ばれる)

・東海電極製造(株):カーボンブラックの生産開始

・この頃,(独)W.J. Reppe: アセチレンの高圧反応(Reppe反応)を完成

(英)Aero Research 社:“Redux"(レゾール型フェノール樹脂/ポリビニルホルマール系接着剤)開発

・日本,対米英宣戦布告

・京都帝国大学工学部に繊維化学科設立

・電気化学工業(株):朝鮮でゴム補強用カーボンブラックの生産開始

(英)British Celanese 社:強力セルロースアセテート繊維“Fortisan"開発

・(財)日本合成繊維研究協会設立,〔1943年(財)高分子化学協会と改称,(社)高分子学会の前身〕

・東洋レーヨン(株);東洋紡績(株):強力レーヨン生産本格化

(仏)J. Carbiere(Rhodiaceta社):ポリ塩化ビニル系合成繊維の乾式紡糸成功,“Rhovyl"と命名,特許出願

・東京芝浦電気(株):シリコーンの研究に着手

・東洋レーヨン(株):ナイロン6の合成,溶融紡糸成功,中間試験工場建設,ナイロン6およびナイロン66試験生産

(英)J.R. Whinfield, J.T. Dickson(Calico Printers 社):ポリエチレンテレフタレートの合成・紡糸に成功,1942年にかけて特許出願するも戦争のため受理・成立は1946年となる

・堀尾正雄:2段延伸法縮スフ完成

・鐘淵紡積(株):“カネビヤン”中間試験工場建設

(米)Plax社:押出ブロー成形法の特許公告

・京都帝大:“合成1号”中間試験工場建設

・(株)名機製作所:手動型締め,空圧射出(2/3 Oz)モデル8AH製作,実用化

(米)B.F. Goodrich社:レドックス系触媒乳化重合の特許出願(重合温度 38℃ 以上)(公告1945年)

・(米)Watson‐Stillman社製射出成形機(12 Oz,油圧)輸入

(英)P.G.R. Bacon:ビニルモノマーのレドックス触媒による重合特許出願

1942

・岡 小天:束縛回転鎖の両端間距離の計算

・ブリヂストンタイヤ(株):軍の要請により社名を日本タイヤに変更

(米)R.L. Anthony, R.H. Caston, E. Guth:ゴムの力〜温度(膨張係数)図

(米)Thiokol社:末端にメルカプト基をもつ液状ポリサルファイドポリマー“Thiokol LP"を生産

(米)E. Fermi ら:核分裂の連鎖反応に成功

(独ソ)スターリングラード攻防戦

1942

・金丸 競,星野敏雄,祖父江 寛:“高分子生成論”(修教社書院)出版

・ブリヂストンタイヤ(株):日本軍が接収したGoodyear社のジャワ工場を復旧し,生産再開

(米)M.L. Huggins:鎖状分子の極限粘度数の式にHuggins定数を導入

(米)DuPont 社; (米)UCC社; (独) IG社 (BASF):高圧法ポリエチレン工業化

(英)E. Slade:BHCの殺虫作用を発見

(日米)ミッドウェー海戦

・日本,極東における天然ゴム供給地を接収,7社10工場が政府の補助金を受けて生産に従事

(米)P.J. Flory, M.L. Huggins:高分子溶液の格子モデルによる取扱い

(米)Pittsburgh Plate Glass 社:不飽和ポリエステル樹脂生産開始

・日本化成(株)(現 三菱化学(株)):大阪工業試験所の研究をもとにNBRパイロットプラント(日産1トン)を建設

(米)L.R.G. Treloar:精密な熱力学的ゴム弾性の解析を行う

(米)Dow Chemical 社:ポリスチレン系ポリマーブレンド“Styrally-22"の発表

・東京工業試験所:カルボキシルメチルセルロース(CMC)の製法開発

(独)O. Bayer: ポリエステルとジイソシアネートより得られる網状構造体の物性に関する基礎的因子を解明(その後Bayer社より Vulcollan", Goodyear 社より Chemigan SL" の名で実用化)

(米)DuPont社:中空ビスコースレーヨン開発

・帝人(株):ビスコース強力レーヨン本格生

(米)G.H.Latham(DuPont社);(独)H. Rein(IG社):独立にポリアクリロニトリル(PAN)の溶剤としてDMFを発見,繊維化の道を開く

・立川正三(旭ベンベルグ絹糸(株)):高重合度レーヨンステープル“虎木綿”(後のポリノジック)の製法発明

(米)DuPont社:合成系弾性糸(ウレタン系)の研究に着手

・倉敷絹織:PVA系合成繊維の工業化試験工場(日産200kg)に着工(1943完成)

(米)メラミン樹脂加工による湿潤強力紙の発明

・東洋レーヨン(株):ε-カプロラクタムからナイロン6の製法特許出願,“アミラン”と命名,生産開始

(米)B.S. Biggs: 鎖状ポリエステルを過酸化物で加硫したゴム状弾性体を得た(後に Bell Telephone 社が Paracon" で生産)

・(株)松田製作所:竪型1オンス油圧ポット式射出成形機開発

(米)B. Dickinson: 熱成形で最初のblister package に開発成功

・ドイツから潜水艦で,ポリスチレン成形材料とISOMA型射出成形機輸入

(米)PMMA熱成形品を第二次世界大戦中航空機の窓などに使用,成形技術が向上した

・日野重工(株)(現 日野自動車(株))設立

(米)DuPont社:ポリテトラフルオロエチレン(Teflon)の生産開始

(米)Society of Plastic Engineers (SPE)設立

更新日 2000/10/01

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