高分子科学史年表(1958-1959)

高分子科学史年表(1958-1959)

[1492-1776][1782-1818][1820-1838][1839-1854][1856-1869][1870-1882][1883-1890][1891-1899][1900-1908][1909-1913][1914-1920][1921-1925]

[1926-1929][1930-1931][1932-1935][1936-1938][1939-1940][1941-1942][1943-1945][1946-1947][1948-1949][1950-1951][1952-1953][1954-1955]

[1956-1957][1958-1959][1960-1961][1962-1963][1964-1965][1966-1967][1968-1969][1970-1971][1972-1974][1975][説明文]

西暦

日本

世界

科学技術一般

社会一般

西暦

科学

技術

科学

技術

1958

・倉田道夫,山川裕巳:粘度に対する排除体積効果

・住友化学(株):高圧法ポリエチレン生産開始

(仏)W.J. Dulmage, L.E. Contois:高分子結晶弾性率の測定

(米)B.F. Goodrich社:熱可塑性ポリウレタン(ポリエステル型)ゴム(TPU)

Estane VC" を発表

(米)人工衛星エクスプローラー1号打上げに成功

 

1958

・永井和夫:曲がりにくい高分子鎖の統計理論の発表

・三井石油化学(株):低圧法ポリエチレン生産開始

(ソ連)M.V. Vol'kenshtein; O.B. Ptitsyn;(米)S. Lifson:高分子鎖の統計理論を独立に提出

(西独)Bayer社:ポリカーボネート樹脂工業化,同フィルム市販開始

(英)D. Gabor:ホログラフィーを発明

・小高忠男,倉田道夫,田村幹雄:法線応力効果の測定

・長浜樹脂(株):加熱収縮性PVCチューブ発売

(ソ連)A.V. Topchiev:オレフィンの立体特異性重合の研究始まる

(米)Phillips Petroleum 社:n-BuLi触媒を用いた溶液重合によるブタジエンとスチレンのブロック共重合体およびランダム共重合体を合成

・神原 周,山崎 升,池田朔次(東京工大):シス-1,4-ポリイソプレンの合成に成功

・大日本硝子(株):FRP波板生産開始

(伊)G. Natta:イソタクチックポリスチレンの結晶構造解析

(米)E. Kodak社:環化ゴムとビスアジドの組合せによるホトレジスト(ネガ型)を発表

・この年より放射線重合の研究発表はじまる(田畑米穂,祖父江 寛;櫻田一郎,南部慶一;岡村誠三,林 晃一郎;住友 宏,八浜義和)

・(株)松田製作所;プランジャー式プリプラ付射出成形機(300.Oz)完成

(米)A.V. Tobolsky:結晶部と非晶部を有するポリオレフィン系コポリマーが熱可塑性ゴムになることを理論的に予見

(米)DuPont社:メタ配位芳香族ポリアミド繊維“Nomex"開発

・大阪大学および北海道大学にそれぞれ高分子学科設立

・石油化学コンビナート操業開始(1958には三井石油化学(株)岩国,住友化学(株)大江;1959には三菱油化(株)四日市,日本石油化学(株)川崎)

(伊)G. Natta:Ziegler-Natta 触媒によるポリアセチレン(不溶不融)の合成

・小野重治,浜名伊佐夫,平井英史:高分子濃厚溶液の動的粘弾性に対する分子量および濃度の影響

(米)H. Weingarten:

-アミノ酸NCA重合における生長鎖末端のらせん構造の効果

・和田八三久:固体高分子の分散地図の提唱

(米)H.K. Hall, Jr.:橋頭双環化合物の開環重合

(英)J.C. Kendrew:ミオグロビンの3次元モデルを提唱

1959

・進藤昭男(大工試):PAN系炭素繊維製法発明

・日本触媒化学(株):直接酸化法によるエチレンオキシド工業生産

(米)M.I. I. Cohen, D. Turnbull:自由体積論と拡散・粘性理論の発表

(伊)Montecatini社:ジエン含有のエチレンプロピレンゴム(EPDM)を発表

(ソ連)ルナ3号,月の裏側の写真撮影に成功

(キューバ)キューバ革命

1959

・古川淳二,鶴田禎二,坂田良三:Zn系触媒による結晶性ポリプロピレンオキシドの合成

・日本ゼオン(株):(米)B.F. Goodrich 社の技術導入で NBR, HSR (High Styrene Rubber)およびSBRラテックスを生産

(米)B.H. Zimm; J.K. Bragg-Gibbs, E.A. DiMarzio:ヘリックス-コイル転移理論

(米)Phillips Petroleum社:Ti系触媒によるシス-1,4-ポリブタジエン“Cis-4"を製造(後に中止,その製造技術は日本に導入さる)

(日)安保闘争起こる

・小田良平,岡野正弥ら:新しい型の重付加高分子に関する一連の研究始まる

・ブリヂストンタイヤ(株):ニッケル系触媒によるシス-1,4-ポリブタジエンの合成に成功

(ソ連)K.S. Bagdasaryan: 安定化エネルギー項を用いるラジカル生長反応の考察

(米)B. Maxwell, A. Scalora:ワイセンベルグ効果を応用した Elastic Melt Extruder 開発

(日)岩戸景気

・永井和夫:回転異性状態近似による実在鎖の理論的取扱いを発表(1959〜60年にかけて世界の4つのグループから独立に理論が提出されて、その後の実在鎖の統計理論の発展につながった)

・高柳素夫,芳野正継:直読式粘弾性測定機レオバイブロンの発明

・三菱油化(株):高圧法ポリエチレン生産開始

(米)C.C. Price, M.Osgan;(英)G. Gee, R.O. Colclough (1960);(米) E.J. Vandenberg (1960):結晶性ポリプロピレンオキシドの合成

(米)Dow Chemical 社:発泡PS,発泡PE生産

(日)計量単位メートル法統一実施

・三宅 彰:ヘリックス-コイル転移理論

・東レ(株):PETフィルム国産化

(米)J.T. Bergen: 2本ロールインターナルミキサー内の分散混合の初期の研究

(米) DuPont社:三角断面スパークリングナイロン糸生産開始 (Type 90 Antronと命名)

(日)科学技術会議発足

(ソ連) Yu.Ya.Gotlib(イスラエル) S.Lifson:回転異性状態近似による実在鎖の理論的取扱いを発表

・井本 稔,黄 慶雲:キシレン-ホルムアルデヒド樹脂生成機構

・昭和電工(株);古河化学(株):中圧法ポリエチレン国産化

(チェコスロバキア)Czechoslovak Academy of SciencesにInstitute of Macromolecular Chemistry (Prague) 設立

(米)Chemstrand社:カーペット用異型断面糸生産開始

・欧州経済共同体(EEC)発足

・椎原 庸,伊与田 淳(大工試):銅触媒を用いる塩化水素法によりトリクロロシランを合成,のちにフェニルシリコーンおよび高純度ケイ素の原料として利用さる

・帝人(株):ポリカーボネート国産化

(米)Journal of Applied Polymer Science 創刊

(欧米)この頃から1963年にかけて欧米でポリノジック繊維生産相次ぐ

・二宮和彦:高分子レオロジーのゴム加工技術研究への応用

・倉レ(株):(仏)Rhone Poulenc 社と(独)Hoechst社ヘポバールおよびビニロンの製造技術輸出(1960年(米)Air Reduction 社へも)

(ソ連)Vysokomolekulyarnye Soedineniya 創刊

(米)National Carbon 社:グラファイト繊維試験生産

・各社でポリノジック生産始まる

(西独)Bayer社:PC成形材料市販

・東陶(株):FRP浴槽市販開始

(米)DuPont社:POM (Delrin) 工場建設・上市

・滝川セルロイド(株):輸入押出機(NRM社製)による硬質PVCシートのTダイ押出生産開始

(瑞西)Hydro-Chemie社:自動回転式真空成形機開発(7オンス・カップ240個/分)

・積水化学工業(株):発泡ポリスチレンビーズの生産開始

(西独)Ankerwerk社他:Kunststoffe Exhibition にスクリューインライン可塑化射出成形機を出展,大センセーション

更新日 2006/08/10

Copyright(C) 2000 The Society of Polymer Science, Japan All Rights Reserved.

このページのトップに戻る。

説明文に戻る。

ホームに戻る。